2024年11月12日更新(2024年11月2日の出来事までを掲載)
クロニクル趣旨文はこちら。
1月1日
尹錫悦大統領、新年の辞で今年上半期までに「増強された韓米拡大抑止体制を完成させる」と表明。
韓国軍、「迎春の砲撃訓練」実施。
中朝両首脳、2024年を「中朝友好年」と定め、一連の活動を開始することを共同で宣言。
1月2日
韓国軍、全海域で艦砲射撃訓練と海上機動訓練を実施。
金与正朝鮮労働党副部長、「韓国大統領に送る新年メッセージ」と題した談話で皮肉を込めて尹政権及び前政権を批判。
1月4日
米国政府、ロシアが北朝鮮供与の弾道ミサイルKN23をウクライナ攻撃で使用と主張。
1月5日
朝鮮中央通信、金正恩総書記がミサイルの移動式発射台工場を現地指導と報道。発射台ICBM「火星18型」のものと見られる。
北朝鮮、黄海の北方限界線(NLL)付近で海上実弾射撃訓練を実施。年始の韓国軍の軍事訓練に対する対抗措置で192発の砲弾を発射した。訓練についての報道発表で、朝鮮人民軍総参謀部は「民族、同族という概念はすでにわれわれの認識から削除された」と明言した。韓国軍もこれに対抗して海上射撃訓練を実施。
日米韓のインド太平洋対話が初会合(ワシントン)。米国のダニエル・クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)、日本の河邉賢裕外務省総合外交政策局長、韓国の鄭炳元(チョン・ビョンウォン)外務省次官補が参加。共同声明では、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発やロシアとの軍事協力の強化などを非難した。
1月6日
北朝鮮、「砲撃模擬欺瞞作戦」を実施。翌日、金与正(キム・ヨジョン)は「130ミリ沿岸砲の砲声を模擬した発破用の爆薬を60回爆発」させたと説明。「欺瞞作戦」について延坪島(ヨンピョンド)の北方で60発以上の砲撃を行ったと主張する韓国政府を非難するとともに、韓国政府に対して、「わが軍隊の引き金はすでに安全装置を外した状態にある」と警告。「欺瞞作戦」と主張する金与正について、韓国軍は「韓国軍の探知能力に関する水準の低い心理戦に過ぎない」とかわした。
金正恩総書記、岸田首相に能登半島地震に対する見舞いの電報を送付。
1月7日
北朝鮮、海上実弾射撃訓練で88発の砲弾を発射。朝鮮人民軍総参謀部は「通常の訓練体系の中で計画に従って実施」と説明。
1月8日
韓国国家情報院、ハマスが北朝鮮提供の武器を使用と主張。
金正恩総書記、現地指導の軍需工場で韓国は敵国との認識を改めて強調(~9日)。自分たちから戦争をするつもりはないが、「戦争を避ける考えもまた全くない」と述べ、韓国が北朝鮮の主権と安全を脅かそうとしたりするなら「躊躇することなく手中の全ての手段と力量を総動員して大韓民国を完全に焦土化する」と述べ、韓国政府が「対朝鮮対決政策」を完全に放棄しない限りこの決意は変わらないと明言した。
韓国軍合同参謀本部、2018年南北軍事分野合意に基づく海上の緩衝区域は事実上消滅したとの認識。北朝鮮軍による3日連続でのNLL付近での砲撃訓練などを受けて。
1月9日
日米韓ウクライナなど48か国とEU、北朝鮮提供の弾道ミサイルがロシアのウクライナ侵略に使用されたと断定し、朝ロを「最も強い言葉で非難する」共同声明を発表。ロシアは使用を否定し、北朝鮮は「米国の根拠のない非難にいちいち論評する必要を感じない」(金星国連大使)との談話を発表。
1月11日
米国務省、北朝鮮製弾道ミサイルのロシアへの移転などに関わったとしてロシアの3団体・1個人を制裁リストに追加。
1月12日
北朝鮮、対韓国政策部門の実務会議を開催し、6・15共同宣言実践北側委員会など南北関係に関わる組織を全て整理することを決定。年末の中央委員会総会で金正恩が南北政策見直しを支持したことを受けて。
1月13日
韓国メディア、北朝鮮が海外向けラジオ平壌放送などを停止した模様と伝える。
1月14日
北朝鮮ミサイル総局、極超音速滑空体を搭載した固体燃料式中長距離弾道ミサイルの発射実験を実施。日韓防衛省によると、平壌(ピョンヤン)付近から発射された短距離弾道ミサイルは最高高度約50キロ、飛行距離約1000キロ。
日米韓の朝鮮半島担当高官、北朝鮮の固体燃料式中距離弾道ミサイルの発射を強く非難。米国のジュン・パク北朝鮮担当高官、韓国の金健(キム・ゴン)朝鮮半島平和交渉本部長、日本の鯰博行アジア大洋州局長による3者電話会談で。
1月15日
金正恩総書記、最高人民会議第14期第10回会議で「共和国の繁栄・発展と人民の福祉増進のための当面の課題について」と題する施政演説。地方の経済発展の必要性を強調し、10年間、毎年20地域の生活水準を向上させるための政策を実施する「地方発展20×10政策」を提案。南北統一に関する政策を転換し、韓国を敵国と位置付けて憲法改定するよう要請。米国の帝国主義への対抗と主権尊重の立場で国際社会に貢献する意向を表明。
北朝鮮最高人民会議で祖国平和統一委員会、金剛山国際観光局、民族経済協力局の廃止を決定。
日米韓、済州島南方沖で合同海上訓練(~17日)。米海軍から原子力空母「カールビンソン」など5隻、韓国海軍からイージス艦「世宗大王」など2隻、海自はイージス艦「こんごう」など2隻、計9隻が参加。海上遮断訓練などが行われた。
米韓、初の「サイバー同盟」訓練(~26日)
崔善姬(チェ・ソンヒ)外相ら北朝鮮代表団、ロシアを訪問(~17日)。崔は16日のプーチン大統領との会談で両国関係の発展を確認。プーチンは早期訪朝を希望した。また崔は同日ラブロフ外相とも会談した。
北朝鮮、ウガンダの首都カンパラで開かれた非同盟諸国首脳会議に代表団を派遣(~20日)。
1月18日
日本海で日米共同空中訓練。米軍のB-1Bと自衛隊のF-15などが参加。
日米韓の核問題担当高官、ソウルで会談。ミサイル実験、ロシアとの武器取引、敵対的な発言の増加について北朝鮮を非難。
国連安保理、14日の弾道ミサイル発射を受けて北朝鮮問題を協議する緊急の非公開会議開催。
1月19日
北朝鮮国防省、国防科学院水中兵器システム研究所が日本海で水中核兵器システム「ヘイル(津波)-5-23」の重要な実験を実施したと発表。日米韓の軍事訓練への対抗措置と説明。
米国の北朝鮮担当特別代表が交代。19日までにソン・キム氏は退任し、後任にジュン・パク氏が就任した。
1月24日
北朝鮮、黄海へ向け新型戦略巡航ミサイル「プルファサル(火矢)3-31」を初の発射実験。
ロシア外相、日米韓は大規模合同演習等により「北朝鮮との戦争を準備」していると非難。
1月26日
韓国国防調達計画局、北朝鮮に対する偵察能力を高めるための独自の中高度無人航空機の量産が始まったと発表。開発は李明博(イ・ミョンバク)政権下の2008年より。
1月28日
北朝鮮、潜水艦発射戦略巡航ミサイル「プルファサル(火矢)3-31」型を日本海に向け試射。金正恩が指導。
1月30日
北朝鮮人民軍、黄海に向けて戦略巡航ミサイル「ファサル(矢)-2」型の発射訓練。
2月1日
中国の劉暁明(リュウ・シャオミン)朝鮮半島問題担当特別代表、スウェーデンのピーター・セムネビー朝鮮半島問題担当特使と会談。スウェーデンは2019年10月に南北朝鮮の実務者会議を開催するなど朝鮮半島問題の解決に向けて関与を続けている。
2月2日
北朝鮮ミサイル総局、巡航ミサイルの超大型弾頭実験と新型地対空ミサイルの試射。
朝鮮中央放送、金正恩総書記が南浦(ナムポ)の造船所を視察と報道。造船業の発展と海軍強化が最重要と述べる。
2月6日
韓国統一省、脱北者への面接調査を基にした「北朝鮮経済・社会実態認識報告書」を刊行。
中韓外相が電話会談。中国の王毅外相は、朝鮮半島情勢に関わるすべての当事者が冷静さを保ち、緊張を悪化させるような言動を慎み、対話と協議を通じて懸念に対処することを望むと述べた。
2月7日
北朝鮮最高人民会議常任委員会、南北の経済協力関連法の廃止に関する政令を全会一致で採択。対象となったのは、朝鮮民主主義人民共和国北南経済協力法、金剛山国際観光特区法とその施行規定、北南経済協力関連合意書など。
スウェーデンのピーター・セムネビー朝鮮半島問題担当特使、ソウルで金健(キム・ゴン)朝鮮半島平和交渉本部長と会談。
2月9日
岸田首相、衆議院予算委員会で日朝首脳会談実現への意欲を改めて示す。金正恩との首脳会談へ向けて「具体的に様々な働きかけを行っている現状だ」と説明し、「大胆に現状を変えていかなければならない必要性を強く感じる」と述べる。
2月11日
北朝鮮国防科学院、240ミリ多連装ロケット砲誘導弾の発射実験。平安南道(ピョンアンナムド)の南浦(ナムポ)付近から黄海に向けて。
2月12日
ジュリー・ターナー北朝鮮人権問題担当特使、日韓を訪問(~22日)。
2月14日
金正恩総書記、新型地対艦ミサイル「パダスリ(ミサゴ)6」型の発射実験を指導。韓国が独自に「北方限界線」を設けて実施する巡視活動を問題視し、北朝鮮が設定の海上境界線を侵犯すれば主権侵犯、武力挑発と見做すと断言。延坪島(ヨンピョンド)と白翎島(ペンニョンド)の北方の国境線水域での軍事的備えを強化するよう指示した。
韓国、ニューヨークでキューバと外交関係を樹立。水面下で交渉。
2月15日
金与正党副部長、日本が北朝鮮を敵視する姿勢を改めるなら、両国は新たな未来を開いていけると発言。個人的見解としつつも、日本が「解決済みの拉致問題や朝日関係改善とは何の縁もない核・ミサイル問題」をもちださなければ、両国が近づけない理由はないとした。岸田首相の平壌訪問の可能性にも言及した。
2月16日
米国のブリンケン国務長官と中国の王毅外相が会談。両外相は、出席したミュンヘン安全保障会議の機会を利用して、朝鮮半島情勢についても意見を交換し、あらゆるレベルで北朝鮮問題に関する意思疎通を継続することの重要性を確認した。
2月17日
日米韓の国連代表部、北朝鮮の人権に関する国連調査委員会の報告書発表から10年に合わせ、世界で最も抑圧的な政権の一つとする共同声明を発出。
2月19日
聯合ニュース、北朝鮮のウェブサイトから統一を象徴する朝鮮半島の画像の削除が続いていると報じる。またNHKを引用する形で、北朝鮮が国歌の歌詞から朝鮮半島全体をさす「三千里」という単語を削除したことにも触れている。韓国を平和統一の対象とみなさない政策に転換したことの反映とみられる。
2月22日
中国の劉暁明(リュウ・シャオミン)朝鮮半島問題担当特別代表、米国のジュン・パク北朝鮮担当特別代表とオンライン会談。16日の米中外相会談での合意を受けて実施された(米国時間2月21日)。
2月26日
韓国の申源湜(シン・ウォンシク)国防相、記者会見で北朝鮮の偵察衛星は画像転送信号が確認されていないと指摘。ロシアの北朝鮮への食糧支援によって食料価格が安定しているとの見解を示した。
2月28日
平安南道(ピョンアンナムド)の成川(ソンチョン)郡地方産業工場建設の着工式。「地方発展20×10政策」で選定された都市のひとつ。金正恩総書記は演説で「地方発展20×10政策」で「前衛的役割」を担うために新たに創設された第124連隊の兵士らを激励した。
3月4日
米韓合同軍事演習「フリーダムシールド(自由の盾)」(~14日)。米国、韓国、オーストラリア、カナダ、フランス、英国など「朝鮮国連軍」参加国12か国が参加。野外機動訓練の数を昨年から倍増させ、48回実施した。演習に対して北朝鮮国防省報道官は声明で強く非難した。
3月6日
金正恩総書記、西部地区重要作戦訓練基地を視察。
3月7日
金正恩総書記、朝鮮人民軍の大連合部隊の砲撃訓練を指導。
3月11日
「地方発展20×10政策」地方工業工場建設の着工式が複数の郡で順次行われていると朝鮮中央通信が伝える。同通信が伝えたのは球場郡、雲山郡、燕灘郡、銀川郡、載寧郡、東新郡、雩時郡、高山郡、伊川郡、咸州郡、金野郡、金亨稷郡、長豊郡の着工式。
3月13日
金正恩総書記、朝鮮人民軍戦車兵大連合部隊の訓練競技を指導。金正恩が戦車を直接操縦。競技は近衛ソウル柳京守(リュギョンス)第105戦車師団が「圧倒的な実力」で優勝した。
3月14日
韓国統一省、韓国の拉致問題を解決するため、日本と協力し被害者家族の国際交流を支援する方針を明らかに。
3月15日
金正恩総書記、朝鮮人民軍の「航空陸戦兵部隊」の訓練を指導。
韓国軍、北方限界線付近で大規模な軍事演習。白翎島(ペンニョンド)、延坪島(ヨンピョンド)など韓国北西部の島々で行われた。
3月18日
超大型多連装ロケット砲の一斉射撃訓練を金正恩総書記が指導。600ミリロケット砲の実践能力などを確認と説明。日韓政府は北朝鮮が平壌近郊から日本海に向け数発の短距離弾道ミサイルを発射したと発表。それによると、ミサイルは約300キロ飛行。最高高度は約50キロ。
ソウルで「未来世代のための民主主義」をテーマに民主主義サミット開催(~20日)。北朝鮮の人権状況の改善も議題に。
3月19日
金正恩総書記が新型中・長距離極超音速ミサイル用固体燃料エンジンの燃焼試験を指導。
3月21日
国連の北朝鮮制裁委員会専門家パネル、年次報告書を公開。サイバー攻撃による核・ミサイル開発資金獲得の疑いや、北朝鮮に対する制裁逃れの石油精製品流入等について報告。報告によると、2023年1~9月に北朝鮮に持ち込まれた石油精製品は150万バレル超。安保理決議で定められた年間上限は50万バレル。
3月23日
祖国統一民主主義戦線中央委員会が同組織の解体を正式に決定。
金成男朝鮮労働党国際部長が率いる朝鮮労働党代表団、北京を訪問。王毅外相らと会談。
3月24日
金正恩総書記、朝鮮人民軍近衛ソウル柳京守第105戦車師団の司令部と直属第1戦車装甲歩兵連隊を視察。
3月25日
金与正朝鮮労働党副部長、日本政府が首脳会談の提案があったと明かした上で、日朝関係は「日本の実際の政治的決断」次第という従来の立場を改めて示す。
3月26日
金与正朝鮮労働党副部長、日本政府の立場が改めて明白になったと述べて、日本政府との接触は拒否すると表明。前日の金与正の談話に対して林芳正官房長官が、「拉致問題が解決済みとの主張は受け入れられない」、拉致や核問題などを「包括的に解決」する方針に変わりはないと述べたことを受けて。
米韓政府、北朝鮮の石油精製品制裁逃れに対応するため実務協議体を発足(ワシントン)。
3月27日
米財務省、北朝鮮の大量破壊兵器開発能力を強化するための資金送金に関与した疑いで6個人2団体を制裁対象に指定。
3月28日
国連安保理、北朝鮮制裁専門家パネルの任期延長決議案を否決。ロシアが拒否権。中国は棄権。
岸田文雄首相、記者会見で拉致問題などの解決に向け北朝鮮とのハイレベル協議を続けると表明。
3月29日
崔善姫外相、「朝日の対話は我々の関心事ではなく、我々は日本のいかなる接触の試みも許容しない」と述べる。日本の拉致問題について、解決努力する義務も意思も全くないと表明。
4月2日
北朝鮮、極超音速弾頭を装着した固体燃料型の新型中長距離弾道ミサイル「火星-16ナ」の発射実験に成功。金正恩総書記が現地指導。朝鮮中央通信によると、ミサイルは平壌市郊外から東北方向に発射され、最高高度は約100キロ、飛行距離は約1000キロだった。日韓当局は飛行距離について、600キロ程度と推定した。
日米韓、済州島南東区域で戦略爆撃機B-52参加の合同空中訓練実施。訓練に参加したB-52は横田基地に着陸。
米中首脳電話会談。朝鮮半島問題について、習近平国家主席は、脅迫と圧力をかけることをやめ、対話と交渉を再開し、対立激化のスパイラルから抜け出すべきと述べた。
韓国政府、ロシアの2団体と個人2人を独自制裁の対象にしたと発表。北朝鮮との武器取引や海外への労働者派遣に関わった事が理由。
4月7日
韓国、米国のケネディ宇宙センターから2基目の独自運用軍事衛星打ち上げに成功。衛星はスペースX社のロケット「ファルコン9」に搭載して打ち上げられた。
4月10日
日米首脳会談(ワシントン)。共同声明で北朝鮮に関して「関連する国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化に対するコミットメントを改めて確認」。
韓国国会選挙。最大野党が圧勝。「共に民主党」が単独過半数を獲得。
4月11日
日米韓、東シナ海で共同軍事訓練を実施(~12日)。原子力空母「セオドア・ルーズベルト」など日米韓の艦艇6隻が参加し、北朝鮮の潜水艦などに対処するための対潜戦訓練を実施。
趙楽基(ジャオ・ラージー)中国全人代常務委員会委員長が北朝鮮を訪問(~13日)。11日に崔竜海(チェ・リョンヘ)北朝鮮最高人民会議常務委員長と会談し、両国間の文化・経済交流強化のための関連協力文書の署名に立ち会った。12日に中朝友好年開幕式に出席した。13日には金正恩総書記とも会談した。
4月12日
米韓、「連合編隊軍総合訓練」を実施(~26日)。F-35Bなど米韓の戦闘機100機以上が参加。訓練には米韓の「宇宙統合チーム」も初参加した。
4月15日
米韓高官、北朝鮮の人権問題について協議。北朝鮮人権問題に関する米国特使ジュリー・ターナーと韓国外務省朝鮮半島平和体制局長チョン・ヨンヒが会談。
4月18日
北朝鮮の朝鮮中央テレビ、国歌名を「朝鮮民主主義人民共和国国歌」と表記して放映。従来は韓国国歌の名称でもある「愛国歌」を国歌としていたが、国歌名を変更したとみられる。
4月19日
北朝鮮ミサイル総局、戦略巡航ミサイル「ファサル(矢)-1ラ-3」と新型対空ミサイル「ピョルチ(流星)-1-2」の発射テストを実施。
G7外相、共同声明を発表。朝鮮半島の非核化を求めるとともに、北朝鮮のロシアとの軍事協力拡大を強い言葉で非難。
4月22日
北朝鮮、「核反撃想定総合戦術訓練」を実施。金正恩総書記が指導。訓練の一環として「国家核兵器総合管理システムである『核の引き金』システム」を超大型ロケット砲兵部隊が運用する訓練を初めて実施し、約350キロ先の島を標的にして模擬核弾頭搭載の超大型ロケット砲弾が発射された。日本の防衛省は北朝鮮内陸部から北東に向けて少なくとも1発の弾道ミサイルが発射され、最高高度約50キロで250キロ以上飛行したと発表した。
米国務省、「2023年人権慣行に関する年次国別報告書」を議会に提出。
4月24日
金与正朝鮮労働党副部長、年初から繰り返し行われている米韓の軍事演習を包括的に振り返り、非難。同じ日、北朝鮮外務省報道官は、同国の弾道ミサイル発射を国連決議違反等と非難した米国務省報道官に反論し、北朝鮮の軍事訓練を自衛目的として正当化した。
4月25日
金正恩総書記、新たに設立された国防工業企業所で生産の240ミリ新型ロケット砲弾の性能を確かめるための試験発射を視察。
4月27日
北朝鮮の国家航空宇宙技術総局報道官、韓国の軍事偵察衛星打ち上げや米韓の合同宇宙作戦訓練などを非難し、北朝鮮の宇宙開発の正当性を主張。
北朝鮮外務省報道官、米国の「2023年人権慣行に関する年次国別報告書」を非難。同報告書は「虚偽と捏造、偏見と敵対感で一貫」しており、「内政干渉と体制転覆策動を合理化」するためのものだと非難し、北朝鮮の自主権と内政に対する干渉を中止するよう警告。
4月29日
聯合ニュース、韓国軍関係者の情報として北朝鮮が南北をつなぐ3つの道路に地雷を埋設したと報じる。
ロイター通信、国連安保理の北朝鮮制裁専門家パネルが、安保理への報告書で1月2日にウクライナ北東部ハルキウ州を襲ったミサイルが北朝鮮の「ファソン(火星)11型」と同系だったと結論づけたと報じる。
4月30日
国連安保理の北朝鮮制裁専門家パネル、活動終了。
5月1日
韓米日など49か国とEU、北朝鮮の制裁違反行為を監視する努力の必要性を訴える共同声明を発表。
5月9日
朝鮮半島問題に関して日米韓の高官が会談(東京)。米国のジュン・パク北朝鮮担当高官、日本の鯰博行アジア大洋州局長、韓国のイ・ジュンイル北朝鮮核外交企画団長が出席。北朝鮮の核・ミサイル問題に対する対応の他、三者は脱北者の保護、拉致、抑留者、未送還捕虜問題の即時解決の必要性など人道上の課題に取り組む上での協力の重要性を強調した。
朝鮮半島問題に関して米中高官が会談(東京)。米国のジュン・パク北朝鮮担当高官、中国の劉暁明(リュウ・シャオミン)朝鮮半島問題特別代表と協議。パク氏は中国による脱北者の強制送還について懸念を表明した。
5月10日
金正恩総書記、自動システム導入の新型多連装ロケット砲(240ミリ口径)の試射を視察。朝鮮中央通信は同ロケット砲が2026年までに朝鮮人民軍の各部隊に装備されると説明。
韓国の脱北者団体「自由北韓運動連合」が金正恩批判ビラを北朝鮮に向けて散布。
5月11日
金正恩総書記、新型の240ミリ口径多連装ロケット砲を搭載する車両などを生産する国防工業企業所を視察(~12日)。
5月12日
北朝鮮外務省、制裁監視を名目にした朝鮮半島周辺などへの軍派遣を行なった米国の同盟国を名指しで非難。今年に入ってから、共同訓練や北朝鮮の監視などを行っているカナダ、オーストラリア、英国、ドイツ、フランスに対し、米国の対北朝鮮敵視政策や覇権争いに便乗して地域の緊張を高める行動をやめるよう要求した。
5月13日
北朝鮮・羅先(ラソン)市人民委員会代表団がロシア沿海地方を訪問。同地方のコジェミャコ知事は、北朝鮮とロシアを結ぶ旅客列車の運航再開の見通しを明らかにした。
5月14日
金正恩総書記、ミサイル連合部隊に新しく装備させる戦術ミサイル兵器システムの生産現場を視察。聯合ニュースは、戦術ミサイル兵器システムを誘導機能を備えた「火星11」と推測した。
米国、未臨界核実験を実施。米エネルギー省の国家核安全保障管理局(NNSA)が発表した。「ニンブル」という一連の実験の1回目がネバダ国家安全保障施設で実施された。今後も実験が予定されている。
5月16日
米韓、朝鮮半島周辺で空中合同訓練。朝鮮中央通信によると、いずれもステルス機能を備えた米国のF-22、韓国のF-35 Aが攻撃と防御の役割を交代で行う「空中模擬訓練」を行なった。
中ロ首脳会談(北京)、共同声明で朝鮮半島問題の政治的解決に向けた中ロのイニシアチブへの支持を求める。また、両国は米国に対し、朝鮮半島における軍事的緊張の緩和、威嚇・制裁・抑圧の放棄および北朝鮮との対話再開を求めた。
米国、ロシアを拠点とする5つの個人と団体を制裁。北朝鮮のロシアへの武器輸出に関わったとして。
5月17日
北朝鮮、新型誘導システム導入の「戦術弾道ミサイル」の発射実験を実施。金正恩総書記が視察。韓国軍は北朝鮮が江原道元山(カンウォンドウォンサン)付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイル数発を発射し、約300キロ飛行したと発表した。
金正恩総書記、国防工業企業所を訪問。
金与正朝鮮労働党副部長、ロシアへの武器輸出疑惑を否定。「われわれは、自分の軍事技術力をどこにも輸出、あるいは公開する意向がない」「われわれの国防分野における多様な活動は、国防発展5か年計画に従ったものであり、その目的は徹頭徹尾わが軍の戦闘力強化にある」と述べた。
5月18日
北朝鮮外務省米国担当局長、北朝鮮を「対テロ非協力国」に指定の米国政府に反論。
5月20日
北朝鮮外務省報道官、米国の未臨界核実験を非難するとともに、自国の核兵器を抑止力として正当化。
韓国統一省、毎年7月14日を北朝鮮脱北者の日と定めると発表。この日は、1997年に脱北者の保護に関する法律が施行された日。
5月21日
米国のジュリー・ターナー北朝鮮人権問題担当特使が訪韓(~25日)。24日には群山(クンサン)で、北朝鮮に拉致された5人の高校生の帰還を祈願する碑の除幕式に出席し、問題解決に向け努力すると述べた。
5月24日
日本政府、北朝鮮とロシアの武器取引関与の疑いでロシアとキプロスの11団体及び1個人に制裁措置。
韓国、北朝鮮とロシアの軍需物資の輸送や武器取引に関与したとして北朝鮮7個人とロシア船舶2隻を独自制裁の対象に追加。
5月26日
北朝鮮国防省次官、米韓による軍事偵察や領海侵犯、脱北者によるビラ散布を問題視し、海上での自衛力行使を警告。ビラ配布への対抗措置も警告。
5月27日
北朝鮮、偵察衛星「万里鏡1‐1号」打ち上げに失敗。北朝鮮当局によると新たに開発したエンジンが原因とされる。北朝鮮は、国際海事機関(IMO)の調整国である日本に対し、直前に5月27日~6月4日の間に衛星を打ち上げると通知していた。翌日、金正恩総書記は、訪問した国防科学院の演説で人工衛星打ち上げ失敗を認めた。
ソウルで日中韓首脳会談。共同声明を発出。朝鮮半島の非核化及び拉致問題では、それぞれの国の立場を再確認した。
北朝鮮外務省、共同声明で「朝鮮半島の非核化」に言及の日中韓首脳会談を「主権平等と内政不干渉」に反すると非難。特に米国と「核協議グループ」を形成する韓国が朝鮮半島の平和と非核化について議論することを問題視。「地域の平和と安定を脅かす米国とその追随国家の侵略戦争演習が絶えず強行されている。そうした深刻な安保環境の中で、非核化という言葉は平和と安定ではなく核危機をもたらすことになる」と主張し、「『朝鮮半島の完全な非核化』というのは、理論的、実践的、物理的にすでに死滅した」と明言した。
5月28日
金先敬(キム・ソンギョン)外務次官、北朝鮮の衛星打ち上げ非難のグテーレス国連事務総長を対米追従と非難。
北朝鮮、韓国に向けて汚物つけた風船を大量に散布(~6月2日)。北朝鮮政府は翌月2日、韓国に散布された紙くずを集める苦労を十分体験させることができたと表明して汚物散布の中止を発表。韓国の脱北者団体によるビラ散布への対抗措置だったことを強調し、脱北者団体がビラを散布すれば再開すると警告した。
5月29日
北朝鮮、黄海のNLL付近からGPS妨害電波の発信を開始(~6月2日)。
5月30日
朝鮮人民軍、北朝鮮に対する米韓の軍事的威嚇及び主権侵害への対抗措置として威嚇射撃を実施。金正恩総書記が指導。少なくとも18発の短距離弾道ミサイルを同時発射。韓国軍は、順安付近から日本海上に向けて10発以上の弾道ミサイルが発射され、約350キロ飛行と分析した。防衛省によると最高高度は約100キロ。
米国務省、北朝鮮による衛星発射と弾道ミサイル発射を非難。
5月31日
朝鮮中央通信、論評で米国による偵察と米韓の軍事演習を批判。
日米韓外務次官、共同声明で北朝鮮の衛星打ち上げやミサイル発射を非難すると共に、朝ロの武器取引について懸念を表明。
国連安保理、北朝鮮の衛星打ち上げで緊急会合。北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使は主権を主張し、「堂々と続ける」と明言。
日米韓など10か国とEUの外相が北朝鮮とロシアの武器取引停止を求める共同声明。
韓国統一省、2023年の北朝鮮との貿易がゼロとの2024年版「統一白書」を刊行。南北を往来した人数も0人だった。
6月2日
日米韓防衛相会談(シンガポール)。共同声明で「北朝鮮の完全な非核化」に向けた取り組みの継続や、核兵器を含む米国の「あらゆる能力に裏打ち」された米国の日韓防衛に対する「コミットメント」などについて確認。また日米韓3か国による共同軍事訓練の実施についても確認した。
キム・カンイル国防次官、風船による韓国へのごみ散布の暫定中止を発表。散布された紙くずを拾い集める手間を韓国側に体験させることができたと述べ、北朝鮮のごみ風船は韓国の脱北者による風船への対抗措置であることを強調した。
6月3日
中国外務省の毛寧(マオ・ニン)報道官、日米韓防衛相共同声明について軍事的抑止と制裁は緊張を高めるだけとし、朝鮮半島問題の政治的解決を求める。ただしコメントの焦点は声明が台湾の平和と安定に言及したことを強く非難することに当てられた。
6月4日
韓国政府、北朝鮮の風船による汚物散布を受け、「南北間の信頼が回復するまで」南北軍事分野合意の効力の全面停止を閣議決定。尹大統領は、この措置を承認。
米国、ICBMミニットマンIIIの発射実験。
6月5日
米韓合同空中訓練。訓練では米軍の戦略爆撃機B-1Bが精密誘導爆弾を投下。韓国軍との共同訓練で米爆撃機の実弾投下は2017年以来。
中国外務省の毛寧(マオ・ニン)報道官、定例記者会見で朝鮮半島問題の当事国に冷静かつ自制的な対応を呼びかける。韓国による南北軍事分野合意の効力全面停止を受けて。
6月6日
韓国の脱北者団体、北朝鮮に向けて風船飛ばし、金正恩政権批判ビラなどを散布。
米国、ICBMミニットマンIIIの発射実験。
6月7日
米軍主導の軍事演習「バリアント・シールド2024」開始(~18日)。同演習は、米インド太平洋軍の陸海空軍や海兵隊などが参加する大規模な実動演習で2006年から2年に一度、グアムなど太平洋一帯で実施してきたが、今回初めて日本にも範囲を広げ、自衛隊が参加して行われた。これに対し朝鮮労働党「労働新聞」(24/6/16)は、自衛隊が初参加した同演習を非難。
6月8日
北朝鮮、大型風船によるゴミ散布を再開。金与正の談話によると、2日間で1400個余りの気球で7.5トンの紙くずを散布した。韓国軍は、9日には330個の風船を確認と発表。
6月9日
韓国、大型風船への対抗措置として対北朝鮮への宣伝放送を再開。
金与正党副部長、韓国からのビラ散布と宣伝放送の再開を、談話で非難。「新たな対応を目撃することになる」と警告。
南北非武装地帯で作業中の朝鮮人民軍兵士が軍事境界線を越境。韓国当局は侵犯の意図なく道に迷ったものと判断。
6月10日
米韓、ソウルで核協議グループの第3回会合を実施。
6月12日
国連安保理、北朝鮮の人権問題を巡る公式会合を開催。議長国は韓国。中ロは、これは、朝鮮半島の緊張緩和をもたらさず、敵対心を高めることにしかならないと反発。
6月18日
朝鮮人民軍兵士が再び軍事境界線を越境。韓国軍は非武装地帯への地雷埋設作業中の爆発事故で多数の死傷者が出ていると報告。また北朝鮮が対戦車防壁のようなものを建設していると発表した。
6月19日
朝ロ首脳会談。いずれかの国家が攻撃を受けた場合の相互支援の規定などを盛り込んだ「朝鮮民主主義人民共和国とロシア連邦間の包括的かつ戦略的なパートナーシップに関する条約」に署名。共同会見で金正恩(キム・ジョンウン)総書記は朝ロは「同盟関係」になったと強調。また両首脳は経済や医療、科学分野での協力に関する政府間協定にも調印した。パートナーシップ条約の相互支援規定について、プーチンはウクライナとの戦争に関しては北朝鮮の支援は必要なく要請もしていないと述べ、ウクライナ戦争は対象外だと明言。
中韓、外交・国防次官級2+2対話を初開催(ソウル)。中国の孫衛東(スン・ウェイドン)外務副大臣、張保群(ヂャン・バオチュン)中央軍事委員会国際軍事協力弁公室副主任および韓国の金烘均(キム・ホンギュン)外務省第一次官、李承範(イ・スンボム)国防省国際政策官が共同で主催した。
6月20日
韓国の脱北者団体「自由北韓運動連合」が風船を用いて北朝鮮に金正恩政権批判ビラ約30万枚などを拡散。金与正は対抗措置を取ると表明。
6月21日
非武装地帯で作業中の朝鮮人民軍兵士が再び軍事境界線を越境。韓国軍によると道に迷ったとみられる。
6月24日
日米韓高官、朝ロ協力に対する共同声明。特に軍事協力や国連制裁決議違反を非難した。声明は、米国のジュン・パク国務省高級北朝鮮担当官、日本の鯰博行アジア大洋州局長、韓国の趙九来(チョ・グレ)外務省外交戦略情報本部長による電話会議の後に出された。
6月26日
北朝鮮ミサイル総局、多弾頭式弾道ミサイルの発射実験。朝鮮中央通信によると、実験は中長距離弾道ミサイル向けの固体燃料エンジンの性能などを確認する目的で行われ、実験は成功した。これに関して韓国軍は、発射は失敗したと発表した。
韓国軍、韓国北西の島嶼部で約7年ぶりに海上射撃訓練を実施。朝鮮国連軍が設定の北方限界線(NLL)近くの白翎島(ペンニョンド)と延坪島(ヨンピョンド)から海上に向けて約290発射撃した。
6月27日
日米韓軍事演習「フリーダム・エッジ」(~29日)。東シナ海などの海上と空中及びサイバー領域で複数の訓練を行う日米韓による新たな軍事演習。米国の原子力空母「セオドア・ルーズベルト」、日本の護衛艦や哨戒機、韓国の駆逐艦などが参加。
6月28日
朝鮮労働党第8期中央委員会第10回総会拡大会議(~7月1日)。
日韓外務次官級会合、対朝ロで日韓・日米韓の緊密な連携などを確認。
国連安保理、朝ロの新条約署名を受けて緊急会合。日米韓などが朝ロの軍事協力を非難する一方、中国は朝鮮半島問題の根本的解決には休戦メカニズムを平和メカニズムに転換することが必要だと主張し、すべての当事者により冷静で自制した言動をとるよう呼びかけた。また国連の中満泉軍縮担当上級代表は朝ロの武器取引に関する「疑惑」が事実なら国連決議違反だと指摘し、ロシアを含むすべての加盟国に対して国連決議の順守を求める。これとは別に、日米韓など48か国とEUは会合に合わせて朝ロの軍事協力を懸念する共同声明を発表した。
6月30日
北朝鮮外務省、声明で日米韓の新共同演習「フリーダム・エッジ」をアジア版NATOを示唆と強く批判。
7月1日
北朝鮮ミサイル総局、新型戦術弾道ミサイル「火星-11タ-4.5」の発射実験。朝鮮中央通信によると、実験は最大射程500キロと最小射程90キロにおける飛行の安定性と命中の正確性を実証する目的で行われ、成功した。一方、韓国軍は北朝鮮が黄海南道長淵(ファンヘナムド・チャンヨン)付近から北東の方向に向けて発射した2発の弾道ミサイルがそれぞれ約600キロと約120キロ飛行したのを観測し、2発目は失敗した可能性があると分析した。
7月2日
韓国陸軍、南北境界線付近で6年ぶりに砲撃訓練を実施。
7月9日
尹錫悦大統領、ハワイのインド太平洋軍司令部を訪問。
7月10日
NATO、ワシントン首脳宣言を発表。宣言は北朝鮮による砲弾と弾道ミサイルのロシアへの輸出を強く非難するとともに、ロシアとの関係強化に大きな懸念を示した。
日韓首脳会談(ワシントン)。朝鮮半島情勢などについて議論し、朝ロの関係強化に懸念を示した。
7月11日
米韓首脳会談(ワシントン)。共同声明で北朝鮮が核使用なら「即時的、圧倒的、決定的な対応」取ると表明。また米韓国防省は、米韓の「拡大抑止」強化のための「朝鮮半島における核抑止および核作戦のための米韓ガイドライン」に署名した。
韓国国防省、北朝鮮が朝鮮半島西側の京義(キョンウィ)線の開城駅から南北軍事境界線までの区間で線路を撤去する動きを確認と発表。
7月12日
北朝鮮外務省報道官、声明でNATOのワシントン首脳宣言を非難。宣言は独立国の正当な権利を理不尽に侵害し、「新冷戦」と世界規模での軍事対決を提唱する対決的な綱領であると述べた。
7月13日
北朝鮮国防省、米韓ガイドラインを非難するとともに、米韓が挑発的な行動を続けるなら、その代償を払うことになると警告。
7月18日
北朝鮮が、臨津江(イムジンガン)上流の黄江(ファンガン)ダムを韓国への事前通知なしに放流。韓国軍は、放流された水とともに「木の葉地雷」などが韓国側に流れてくる恐れがあると警戒を呼びかけた。
金正恩総書記、北朝鮮訪問中のアレクセイ・クリボルチコ国防次官らと会談。会談で金正恩はウクライナのロシア侵略への「強力な支持と強固な連帯」を表明。
韓国軍、北朝鮮による韓国へのごみ散布への対抗措置として北朝鮮向け宣伝放送を実施(~19日)。
7月21日
北朝鮮、韓国に向けてごみ風船散布。
韓国軍、拡声器による対北朝鮮宣伝放送を全面的に実施すると発表。
7月23日
ベラルーシ外相が北朝鮮訪問(~26日)
7月24日
中韓外務次官級戦略対話(ソウル)。韓国から外務省の金烘均(キム・ホンギュン)第1次官が、中国から馬朝旭(マー・ジャオシュー)外務次官が出席し、朝ロ軍事協力など朝鮮半島情勢について意見交換を行なった。
7月26日
中韓外相会談。アセアン地域フォーラムが開催されているラオスの首都ビエンチャンで王毅(ワン・イー)中国外相と趙兌烈(チョ・テヨル)韓国外相が会談し、朝鮮半島情勢などについて意見交換を行なった。
7月27日
朝鮮戦争停戦協定締結71周年。北朝鮮は、朝鮮戦争「勝利」記念式典を平壌で実施。金正恩総書記らが出席。
北朝鮮北西部の新義州(シニジュ)市などで大雨による大規模な洪水被害。
7月28日
日米安全保障協議委員会(2+2)(東京)。共同発表文書で中国・ロシア・北朝鮮を脅威と評価した上で、「同盟調整、指揮・統制の向上」「同盟のスタンド・オフ防衛能力の向上」「日本の南西諸島における同盟活動の強化」「二国間演習、即応性及び運用の強化」「拡大抑止の強化」など「日米の抑止力・対処力」の強化を確認。朝鮮半島の非核化については北朝鮮の核兵器だけを問題にし、北朝鮮とロシアの軍事協力にも懸念を示した。
拡大抑止に関する日米閣僚会合を初開催(東京)。
日米韓防衛相会合(東京)。高級レベルでの政策協議、情報共有、共同軍事訓練の定期開催などを盛り込んだ日米韓3か国安全保障協力枠組みに関する協力覚書に署名。
7月29日
韓国の国家情報院、北朝鮮は2024年年初から報告の時点までに、14回にわたり計48発の短・中距離ミサイルを発射と国会で報告。
朝鮮労働党中央委員会政治局緊急拡大会議(~30日)平安北道(ピョンアンプクド)と慈江道(チャガンド)で27日に起きた深刻な洪水被害への対応を協議。災害救援・復興本部の設置、被災地での住宅新築、堤防整備などを盛り込んだ決議を採択。
7月30日
朝鮮半島での核使用を想定した米韓机上演習「アイアン・メイス」(~8月1日)。
8月1日
韓国政府、大韓赤十字社を通じ水害への人道支援の用意があると表明。北朝鮮は返答せず。
8月2日
ドイツ、朝鮮国連軍司令部への加盟を発表。18番目の加盟国となる。
8月3日
北朝鮮外務省、核兵器を中心にして軍備増強を図る米韓の動きに対する抑止力として、北朝鮮の核兵器を正当化。地域の緊張を高める行為として、特に直前に行われたアイアン・メイスや、米韓ワシントン宣言、米韓核協議グループなど、これまでの米韓の動きを問題視した。
8月4日
朝鮮人民軍国境第1線部隊への新型戦術弾道ミサイル兵器システム(250発)の受け渡し式。
8月6日
日米韓高官、北朝鮮情勢に関する電話会議。米国のダニエル・J・クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)、韓国の趙九来(チョ・グレ)外交戦略情報本部長、日本の鯰博行外務省アジア大洋州局長が参加し、武器移転を含む、朝ロの関係深化などについて意見交換した。また、中国に対し、北朝鮮に対する影響力を行使して、そうした活動を停止させるよう呼びかけた。
8月15日
尹大統領、光復節の演説で新しい南北統一政策「統一ドクトリン」を発表。南北の対話協議体の設置も提案。「自由で平和な大韓民国」をPRして北朝鮮市民が「自由統一」を望むような変化を促すと述べる。翌日、金暎浩(キム・ヨンホ)統一省長官が、記者会見で北朝鮮住民が多様なルートと方法で外部の世界に接することができるよう積極的に努力するとの方針を示した。
韓国外務省、日本の閣僚が靖国神社を参拝したことに遺憾の意を表明する報道官論評を発表。
8月18日
北朝鮮外務省米国研究所、米韓合同演習「ウルチ・フリーダム・シールド」を前に声明を発表。同演習やその他の米国主導の軍事訓練を米国の覇権維持のための侵略的なものとして問題視し、自国の防衛力強化の必要性を再確認する内容。
北朝鮮の労働新聞、15日に岸田首相が靖国神社に玉串料を奉納し、閣僚が参拝したことを非難する個人名義の論評を掲載。
8月19日
米韓合同軍事演習「ウルチ・フリーダム・シールド」(~29日)。北朝鮮の核兵器など大量破壊兵器攻撃に対する訓練が含まれる。野外機動訓練は48回で、前年に比べ10回多い。これに対して朝鮮半島平和行動など韓国の市民団体は龍山大統領官邸前で抗議行動を行った。
8月20日 ニューヨーク・タイムズ、バイデン大統領が「核使用ガイダンス」を3月に承認と報道。約4年に一度アップデートされる同文書は、中国の核軍拡への対応に初めて焦点を当てた。また、中ロ朝が協調してもたらす核の脅威に米国は備えるべきとした。
8月22日
韓国、北朝鮮による核攻撃などを想定して韓国全土で避難訓練。
北朝鮮外務省、アジア太平洋地域における米韓と米国の同盟国・同志国の軍拡を非難。ウルチ・フリーダム・シールドと韓国に対する米国のアパッチ攻撃用ヘリ販売承認などを受けて。
8月24日
北朝鮮外務省報道官、声明で米国の一方的な核優位追求に重大な懸念と強い非難を表明。20日の米国の「核使用ガイダンス」変更の報道を受けたもので、核戦力による国防強化の決意を改めて示した。
金正恩総書記、国防科学院の無人機研究所を訪れ、無人攻撃機の性能試験を視察し、自爆型ドローンの開発強化を指示。
金正恩総書記、地方産業工場建設事業を現地指導(~25日)。「地方発展20×10政策」について、地方産業工場の建設とともに保健医療施設と科学技術普及拠点、穀物管理施設の建設を行うことによって地方振興の歴史的偉業を加速させると述べ、党としてその実現のための措置を取ると明言。
8月26日
米韓合同軍事演習「双竜訓練」(~9月7日)。北朝鮮上陸と侵略を想定。
ラジオ自由アジア(RFA)、脱北者15人が中国の昆明で公安当局に検挙され、拘禁されていると報じる。
8月27日
北朝鮮、新型多連装ロケット砲の試験発射。金正恩国務委員長が視察。
8月28日 北朝鮮が国際海事機関(IMO)に潜水艦13隻を初めて登録と報道。しかし、報道された直後に情報は削除された。
8月30日
韓国統一省、脱北者6351人の証言による北朝鮮の経済や社会に関する報告書の英語版を刊行。
韓国政府、水害支援の目的に限って民間団体の対北朝鮮への支援を許可。
9月2日
北朝鮮でユニセフによる大規模なワクチン・キャンペーン開始。
9月3日
韓国統一省、第1回国際朝鮮半島フォーラム(ソウル)開催。潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長が基調講演で南北統一における中国の役割に期待。
9月5日
北朝鮮国防省、ウルチ・フリーダム・シールドなど対北朝鮮を想定した軍事演習を繰り返す米韓を非難する談話発表。国防省広報室長名義で。
北朝鮮のサイバー脅威に対抗する第7回米韓作業部会(ソウル)(~6日)。米韓両国から15の政府機関が参加し、北朝鮮のサイバー脅威に脆弱な国々に対する支援、情報共有、能力構築などについて協議した。
9月6日
米国防総省、北朝鮮の核使用を想定した朝鮮半島有事の米韓机上訓練を初めて実施したと発表。
北朝鮮のサイバー脅威に対抗する第3回日米韓外交作業部会(ソウル)。3か国から約20の部局、省庁、機関が参加し、北朝鮮がサイバー活動などで得た利益を大量破壊兵器および弾道ミサイル計画に投入する能力を阻害するための3国間協力について協議した。
9月7日 朝鮮中央通信、日本のALPS処理汚染水の海洋放出を「核テロ」「反人倫的犯罪」と強く非難。
9月9日
金正恩総書記、政府高官らに向けた北朝鮮建国記念日の演説で経済発展と国防強化のための方針を示す。核を基盤とした日米韓の「軍事ブロックの進化」に対する危機感を示し、自国の核能力向上の必要性を強調した。
9月10日
朝鮮国連軍加盟国、ソウルで2回目の国防相会合。南アフリカを除く17か国の代表が出席。ドイツが初参加。
9月11日
金正恩総書記、朝鮮人民軍特殊作戦武力訓練基地を視察。
9月12日
北朝鮮、短距離弾道ミサイル数発を試射。朝鮮中央通信によると新型の600ミリロケット砲発射機の性能検証が目的。防衛省などは発射された弾道ミサイルのうちの2発について、平壌(ピョンヤン)付近から発射され、最高高度100キロ、飛距離は350キロ超と推定。
9月13日
朝鮮中央通信、金正恩総書記が核兵器研究所とウラン濃縮施設を訪問し指導と報道。ウラン濃縮施設の写真を公開したのは初めて。
北朝鮮外務省軍縮・平和研究所の報道官、ソウルで開催の朝鮮国連軍加盟国の国防相会合を非難。
金正恩総書記、北朝鮮訪問のショイグ・ロシア安全保障会議書記と会談。「包括的戦略パートナーシップ条約」に従い、両国間の協力関係を強化することなどについて確認した。
9月14日
北朝鮮、ゴミをぶら下げた風船約50個を散布。5月末から始まり、今回19回目。
9月18日
北朝鮮、新型戦術弾道ミサイル「火星-11タ-4.5」と改良型戦略巡航ミサイルを試射。金正恩総書記が現地指導。朝鮮中央通信によると、新型戦術弾道ミサイルに設計上4.5トン級の超大型通常弾頭を搭載し、320キロ飛行時の砲撃精度と超大型弾頭の爆発威力を実証する目的で行われた。韓国軍合同参謀本部によると、ミサイルは平安南道价川(ピョンアンナムド・ケチョン)付近から数発発射され、約400キロ飛行した。
北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相、ロシアのサンクトペテルブルクで開催の第4回ユーラシア女性フォーラムと第1回BRICS女性フォーラムに参加(~20日)。
9月19日
米財務省、北朝鮮との間で違法な決済網を構築したとして、ロシアなどを拠点とする金融機関など5団体・1個人を制裁対象に指定。米国内の資産を凍結。
9月20日
韓国、米国、カナダ、北朝鮮で拘束されている韓国人宣教師ら韓国人6人の解放を求める声明をそれぞれ発表。拘束4000日を機に。一緒に拘束されたアメリカ人やカナダ人は既に解放済み。(アメリカ・カナダ時間19日)
9月23日
米国のヴァージニア級攻撃型原潜「バーモント」が釜山に寄港。同艦は、その行き帰りに佐世保に寄港している。
9月24日
金与正朝鮮労働党副部長、北朝鮮の安全が米国の核の威嚇に脅かされていることを強調し、北朝鮮の核抑止力強化を正当化。米国のICBM発射実験(6月)やステルス戦略爆撃機B21レイダーの試験飛行映像公開(18日)、米国の原潜の釜山寄港、それに米軍を中心とした「軍事ブロック」の形成などを批判。
9月25日
聯合ニュース、北朝鮮のゴミ風船で仁川(インチョン)国際空港などで20回にわたり滑走路の運用を中断していたことが判明したと報じる。
9月28日
中国の王毅外相と韓国の趙兌烈(チェ・テヨル)外相が会談(ニューヨーク)。王毅外相は、中国は今後も和平交渉を推進し、朝鮮半島の長期的な平和と安定の実現に建設的な役割を果たすと述べる。
9月30日
韓国国防省、北朝鮮の核・大量破壊兵器の抑止と対応を主任務とする戦略司令部を創設。
北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使、国連総会一般討論演説で、核保有を正当な自衛権と強調し、「核保有国」の立場を維持すると主張。
10月1日
尹錫悦大統領、韓国の「国軍の日」の演説で北朝鮮が核使用なら「韓米同盟の圧倒的な対応」で北朝鮮は「終末の日」を迎えると述べる。式典の行事で韓国軍は独自開発の弾道ミサイル「玄武(ヒョンム)5」を公開。また式典に合わせて米軍の戦略爆撃機B-1Bがソウル近郊を飛行した。
北朝鮮のキム・ガンイル副国防相、米国が朝鮮半島とその周辺地域への核戦略資産搬入を恒常化させていると指摘し、敵対勢力の軍事的挑発行為を座視せず、戦争抑止力を絶え間なく向上させていくと警告。
10月2日
金正恩総書記、韓国の「国軍の日」の尹錫悦の演説を批判し、韓国が武力で北朝鮮の主権侵害なら「容赦なく核兵器を含む全ての攻撃力を使用する」と警告。訪問先の朝鮮人民軍特殊作戦部隊の訓練基地で。
10月7日
ジュリー・ターナー北朝鮮人権問題担当特使とベス・ヴァン・シャーク国際刑事司法担当特使が韓国訪問(~11日)。北朝鮮の人権侵害に対する責任を追及するワークショップを共同で主催。
金正恩総書記、国防総合大学の創立記念の演説で、米国の帝国主義と核を基盤とした米韓同盟を糾弾し、「戦争抑止力を無限大に強化」する必要があると述べる。金正恩は米国の核兵器を盾に「力」を誇示する韓国の尹錫悦大統領を非難し、「大韓民国が安全に生き残る方法は、われわれが軍事力を使用しないようにすること」だと警告。そして核を基盤にした米韓同盟の北朝鮮に対する軍事的な挑発行為は「朝鮮半島で力の均衡が破壊される危険をはらんでいる」と指摘し、自衛の戦争抑止力強化の必要性を主張した。また敵が武力行使なら、核兵器使用も辞さないと明言した。
北朝鮮最高人民会議開催(~8日)。韓国との関係を規定する憲法改正案などが審議された模様。また、新たな国防相に努光鉄(ノ・グァンチョル)が任命された。
韓国国防省が「自衛隊の在韓米軍基地使用のための一時的な進入」について国会の同意は不要だとの政府見解を示したことが明らかに。
10月8日
日米韓高官が電話会談。鯰博行外務省アジア大洋州局長、趙九来(チョ・グレ)韓国外務省外交戦略情報本部長及びダニエル・クリテンブリンク米国国務次官補(東アジア・太平洋担当)が参加。北朝鮮の最高人民会議の結果など朝鮮半島の現状に対する評価を共有した。
北朝鮮の国防科学院、240ミリ口径の新型多連装ロケット砲の発射実験を実施。
韓国与党国会議員、北朝鮮が大型潜水艦の建造を開始したと韓国軍が国防委員会に報告したことを明らかに。戦術核攻撃原潜の可能性もあると推測。
10月9日
朝鮮人民軍総参謀部、韓国と領土を徹底的に分離させるための軍事的措置を取ると発表。「共和国の南の国境一帯で一触即発の戦争の危機が日増しに高まっている」と指摘し、「戦争の抑止と共和国の安全守護のための自衛的措置」として、同日から「道路と鉄道を完全に断ち切り、堅固な防御構築物で要塞化する工事」を行うと説明。
10月11日
北朝鮮外務省、韓国の無人機が10月3日、9日、10日に領空侵犯し、平壌に反朝鮮扇動ビラを散布したと発表。北朝鮮外務省は韓国の領空侵犯を「自衛権に従って報復すべき重大な政治的・軍事的挑発」と見做すと述べ、「事態発展の様々な場合に対応する準備に着手」したと発表。韓国の無人機が再度北朝鮮の領空を侵犯した場合、警告なしに即時行動に移るとし、「引き金の安全装置は、現在、解除されている」と警告。これに対して、同日、韓国の金竜顕(キム・ヨンヒョン)国防相は「韓国軍が北朝鮮に向けて無人機を発射したわけではない」とし、事件の具体的な状況は不明で確認中であると述べた。
10月12日
金与正朝鮮労働党副部長、韓国の領空侵犯を非難する談話を発表。領空侵犯の責任逃れをする韓国政府を糾弾し、「われわれの首都上空で大韓民国の無人機が再び発見されるその瞬間、凄惨な惨事は必ず起きる」と述べる。
10月13日
北朝鮮国防省報道官、韓国の領空侵犯への対応として、12日に韓国との国境付近の部隊に射撃準備態勢を整えるよう指示したと発表。
北朝鮮国防省、領空侵犯の無人機は民間のものではありえず、再度無人機が出現する際には「共和国に対する宣戦布告」と見做して行動をとると警告。
韓国国防省、金与正の談話に対し、「韓国の安全に危害を加えれば、その日に北朝鮮の政権が終末を迎えることを警告する」との声明を発表。
金与正朝鮮労働党副部長、再度韓国の領空侵犯を非難する談話を発表。「ヒステリックで無謀な挑戦は大韓民国の悲惨な終焉を早めるであろう」と題する声明で、韓国国防省の声明を非難し、他国の領空侵犯の再発防止を保証するよう求める。
10月14日
北朝鮮、国防・安全分野協議会開催。金正恩総書記が招集し、無人機問題を指すとみられる「敵の重大な主権侵犯挑発事件」に関する分析や、それに対応するための軍事行動計画の報告などが行われた。
金与正朝鮮労働党副部長、韓国の領空侵犯を非難する談話を発表。「核保有国の主権」が侵害されたなら、「野良犬を飼った主人」である米国が責任を負うべきだと主張。
北朝鮮全土で140万人以上の青年同盟幹部と学生が朝鮮人民軍に入隊または再入隊を志願(~15日)。朝鮮中央通信(16日)が報じる。
10月15日
金与正朝鮮労働党副部長、韓国軍が領空侵犯の主犯であることを示す明白な証拠があると主張し、「ひどい代償を払うことになる」と予告。
北朝鮮、韓国と北朝鮮をつなぐ道路と鉄道を爆破。朝鮮中央通信(17日)は、「大韓民国を徹底的な敵対国家として規定した共和国憲法の要求と敵対勢力の重大な政治的・軍事的挑発策動によって予測不能の戦争の瀬戸際に突っ走っている深刻な安保環境から発した必然的かつ合法的な措置」と説明。
10月16日
日米韓など11か国、国連の北朝鮮専門家パネルに変わる対北朝鮮制裁監視組織として「多国間制裁監視チーム(MSMT)」の発足を発表(ソウル)。参加国は日本、米国、韓国、フランス、英国、ドイツ、イタリア、オランダ、カナダ、豪州、ニュージーランド。
日米韓、次官協議を開催(ソウル)。北朝鮮による核・ミサイル活動や朝ロ軍事協力などについて協議した。日本から岡野正敬外務事務次官、米国からカート・キャンベル国務副長官、韓国から金烘均(キム・ホンギュン)外務省第一次官が参加した。
10月17日
金正恩総書記、朝鮮人民軍第2軍団の指揮部を訪問。「韓米同盟の性格が変異した状況とより進化した敵のさまざまな侵略的性格の軍事行動」は「核抑止力強化の重要性を一層強調し、その正当性を立証している」と述べ、抑止力の必要性を説いた。また韓国が「他国であり、明白な敵国」であると強調した上で、15日に韓国とつながる道路と鉄路を爆破したことについて、物理的閉鎖だけはなく、「ソウルとの悪縁」を断ち切り、「同族意識と統一という非現実的な認識」を払拭すると共に、「敵国である韓国」によって北朝鮮の主権が侵害されれば、「われわれの物理力が躊躇なく使用されることを知らせる最後の宣告」だと明言。
北朝鮮が、1912年を元年とする「主体年号」の使用をやめたことが確認された。聯合ニュースによると、10月12日夜以降、声明や談話、労働新聞などに主体年号を用いていない。
10月18日
北朝鮮国防省、平壌近郊に墜落した無人機の残骸の調査結果を基に、領空侵犯の無人機は韓国の物だと判明したと発表。国防省報道官は韓国の「軍事的手段の侵犯行為が再び発見され、確定された場合」は「宣戦布告」と見做し、「即時の報復攻撃が加えられる」ことになると警告。
北朝鮮社会安全省報道官、南部国境地域で韓国から飛来の大型ビニール風船によって散布されたごみを発見したと発表。
日米韓政府高官、北朝鮮の人権問題に関する会合を開催(ワシントン)。今年は国連調査委員会が北朝鮮の人権問題に関する最終報告書を公表してから10年目にあたる。会合には、米国のカート・キャンベル国務副長官、日本の山田重夫駐米大使、韓国の金暎浩(キム・ヨンホ)統一相が出席。会合後に共同声明を発表した。
韓国国家情報院、ロシアを支援するため北朝鮮が1万人を超える大規模派兵を決定したとの見方を公表。また、北朝鮮の特殊部隊1500人あまりがウラジオストクに移動したのを確認したと発表した。
10月20日
北朝鮮の金先敬(キム・ソンギョン)副外務相、北朝鮮国内の道路と鉄路を爆破したことを非難した国連事務総長を糾弾。韓国の領空侵犯については黙認する一方で自国領土内で自衛措置を講じた北朝鮮を非難するのは「絶対に許せない不公正で二重基準的な行為」だと主張。
北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相、日米韓の主導で「多国間制裁監視チーム(MSMT)」が発足したことを非難する談話を発表。
10月21日
韓国外務第1次官、駐韓ロシア大使を呼び、北朝鮮軍のロシアからの即時撤退を求める。これに対し同大使は、ロ朝の協力は国際法の枠組内で行われ、韓国の安全保障の利益に反するものではないと強調。
金正恩総書記、7月末に鴨緑江流域で発生した水害の被災地のうち、まだ訪れていなかった慈江道(チャガンド)を初めて訪問。
米韓豪合同航空演習「フリーダム・フラッグ」を実施(~11月1日)。上半期と下半期にそれぞれ定例で行われてきた連合編隊群総合訓練と大規模航空演習「ビジラント・ディフェンス」(2022年までは「ビジラント・ストーム」)を統合し「フリーダム・フラッグ」という名称に変更した。
10月23日
朝鮮中央通信、金正恩総書記が戦略ミサイル基地を視察と報道。
日米共同統合演習「キーン・ソード」を実施(~11月1日)。
10月24日
北朝鮮最高人民会議常任委員会総会、朝鮮民主主義人民共和国国歌法を制定。
ソウルの路上で、風船で運ばれたと見られる尹政権批判ビラが散乱しているのが確認される。
10月25日
北朝鮮外務省ロシア担当のキム・ジョンギュ副外務相、欧米が指摘の朝鮮人民軍のロシア派兵について、国防省の管轄であり外務省として事実確認する必要性を感じないと断ったうえで、事実であるなら「国際法的規範に合致する行動」だと主張。
10月26日
北朝鮮外務省対外政策室長、朝鮮半島周辺における米国とその同盟国の軍事演習に懸念表明。米韓豪合同航空演習「フリーダム・フラッグ」、日米共同統合演習「キーン・ソード」などを特に名前を挙げて問題視した。
10月27日
北朝鮮国防省、10月に領空侵犯の無人機について、韓国軍によるものと断定する最終調査結果を発表。
10月28日
韓国拉致被害者団体、聯合ニュースの取材に対し、31日に北朝鮮に向けてビラを散布する方針を表明。一方で京畿道はビラ散布が強行される場合、警察などを動員して取り締まる計画。
金与正朝鮮労働党副部長、10月24日にソウル上空で尹政権批判のビラを散布した無人機について、北朝鮮の関与を否定する談話を発表。
10月30日
国連安保理、北朝鮮兵のロシア派遣で緊急会合。
韓国国防情報本部、北朝鮮がICBM移動式発射台の配備と豊渓里核実験場の実験準備を完了と発表。
10月31日
北朝鮮、新型ICBM「火星19」の発射実験。ミサイルは平壌近郊から発射され、最高高度約7700キロ、飛距離約1000キロで86分間飛行した。金正恩総書記は安全保障上の脅威に対する正当な処置と主張し、「朝鮮民主主義人民共和国は、核戦力強化路線を絶対に変えないということを確言する」と述べる。
日米韓外相、北朝鮮のICBM発射を非難する共同声明を発表。
米韓、北朝鮮のICBM発射を受けて合同訓練を実施。
日米、日本海上空で共同訓練を実施。
11月1日
ロ朝外相会談(モスクワ)。崔善姫(チェ・ソンヒ)外相、ウクライナ戦争について、「勝利の日まで」ロシア側に立つと述べる。
崔善姫外相、米韓が北朝鮮に対する核攻撃を計画していると指摘し、それに対応するために北朝鮮は核兵器を強化し、核による報復態勢を整える必要があると述べる。
韓国外務省、北朝鮮による31日のICBM発射を受け、ミサイル開発に関与した北朝鮮の11個人と4機関を独自制裁の対象にすると発表。
11月2日
北朝鮮対敵研究院、尹錫悦政権についての白書を発表し、同政権を批判。
北朝鮮外務省報道官、「敵対勢力の軍事的脅威を抑止し、地域で力のバランスを維持するための実践的努力を一層増大させていくであろう」と題する声明を発表。ICBM発射実験は米韓の軍事的脅威に対する自衛権行使だと説明。また軍事力により威嚇し続ける米韓を問題視せずに北朝鮮の発射実験だけを非難する「米国とその追随勢力」は、二重基準だと非難。