2024年

2024年4月16日更新(2024年4月11日の出来事までを掲載)

クロニクル趣旨文はこちら

1月1日
尹錫悦大統領、新年の辞で今年上半期までに「増強された韓米拡大抑止体制を完成させる」と表明。

韓国軍、「迎春の砲撃訓練」実施。

中朝両首脳、2024年を「中朝友好年」と定め、一連の活動を開始することを共同で宣言。

1月2日
韓国軍、全海域で艦砲射撃訓練と海上機動訓練を実施。

金与正朝鮮労働党副部長、「韓国大統領に送る新年メッセージ」と題した談話で皮肉を込めて尹政権及び前政権を批判。

1月4日
米国政府、ロシアが北朝鮮供与の弾道ミサイルKN23をウクライナ攻撃で使用と主張。

1月5日
朝鮮中央通信、金正恩総書記がミサイルの移動式発射台工場を現地指導と報道。
発射台ICBM「火星18型」のものと見られる。

北朝鮮、黄海の北方限界線(NLL)付近で海上実弾射撃訓練を実施。年始の韓国軍の軍事訓練に対する対抗措置で192発の砲弾を発射した。訓練についての報道発表で、朝鮮人民軍総参謀部は「民族、同族という概念はすでにわれわれの認識から削除された」と明言した。韓国軍もこれに対抗して海上射撃訓練を実施。

日米韓のインド太平洋対話が初会合(ワシントン)。米国のダニエル・クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)、日本の河邉賢裕外務省総合外交政策局長、韓国の鄭炳元(チョン・ビョンウォン)外務省次官補が参加。共同声明では、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発やロシアとの軍事協力の強化などを非難した。

1月6日
北朝鮮、「砲撃模擬欺瞞作戦」を実施。
翌日、金与正(キム・ヨジョン)は「130ミリ沿岸砲の砲声を模擬した発破用の爆薬を60回爆発」させたと説明。「欺瞞作戦」について延坪島(ヨンピョンド)の北方で60発以上の砲撃を行ったと主張する韓国政府を非難するとともに、韓国政府に対して、「わが軍隊の引き金はすでに安全装置を外した状態にある」と警告。「欺瞞作戦」と主張する金与正について、韓国軍は「韓国軍の探知能力に関する水準の低い心理戦に過ぎない」とかわした。

金正恩総書記、岸田首相に能登半島地震に対する見舞いの電報を送付。

1月7日
北朝鮮、海上実弾射撃訓練で88発の砲弾を発射。
朝鮮人民軍総参謀部は「通常の訓練体系の中で計画に従って実施」と説明。

1月8日
韓国国家情報院、ハマスが北朝鮮提供の武器を使用と主張。

金正恩総書記、現地指導の軍需工場で韓国は敵国との認識を改めて強調(~9日)。自分たちから戦争をするつもりはないが、「戦争を避ける考えもまた全くない」と述べ、韓国が北朝鮮の主権と安全を脅かそうとしたりするなら「躊躇することなく手中の全ての手段と力量を総動員して大韓民国を完全に焦土化する」と述べ、韓国政府が「対朝鮮対決政策」を完全に放棄しない限りこの決意は変わらないと明言した。

韓国軍合同参謀本部、2018年南北軍事分野合意に基づく海上の緩衝区域は事実上消滅したとの認識。北朝鮮軍による3日連続でのNLL付近での砲撃訓練などを受けて。

1月9日
日米韓ウクライナなど48か国とEU、北朝鮮提供の弾道ミサイルがロシアのウクライナ侵略に使用されたと断定し、朝ロを「最も強い言葉で非難する」共同声明を発表。
ロシアは使用を否定し、北朝鮮は「米国の根拠のない非難にいちいち論評する必要を感じない」(金星国連大使)との談話を発表。

1月11日
米国務省、北朝鮮製弾道ミサイルのロシアへの移転などに関わったとしてロシアの3団体・1個人を制裁リストに追加。

1月12日
北朝鮮、対韓国政策部門の実務会議を開催し、6・15共同宣言実践北側委員会など南北関係に関わる組織を全て整理することを決定。
年末の中央委員会総会で金正恩が南北政策見直しを支持したことを受けて。

113
韓国メディア、北朝鮮が海外向けラジオ平壌放送などを停止した模様と伝える。

114
北朝鮮ミサイル総局、極超音速滑空体を搭載した固体燃料式中長距離弾道ミサイルの発射実験を実施。
日韓防衛省によると、平壌(ピョンヤン)付近から発射された短距離弾道ミサイルは最高高度約50キロ、飛行距離約1000キロ。

日米韓の朝鮮半島担当高官、北朝鮮の固体燃料式中距離弾道ミサイルの発射を強く非難。米国のジュン・パク北朝鮮担当高官、韓国の金健(キム・ゴン)朝鮮半島平和交渉本部長、日本の鯰博行アジア大洋州局長による3者電話会談で。

115
金正恩総書記、最高人民会議第14期第10回会議で「共和国の繁栄・発展と人民の福祉増進のための当面の課題について」と題する施政演説。
地方の経済発展の必要性を強調し、10年間、毎年20地域の生活水準を向上させるための政策を実施する「地方発展20×10政策」を提案。南北統一に関する政策を転換し、韓国を敵国と位置付けて憲法改定するよう要請。米国の帝国主義への対抗と主権尊重の立場で国際社会に貢献する意向を表明。

北朝鮮最高人民会議で祖国平和統一委員会、金剛山国際観光局、民族経済協力局の廃止を決定。

日米韓、済州島南方沖で合同海上訓練(~17日)。米海軍から原子力空母「カールビンソン」など5隻、韓国海軍からイージス艦「世宗大王」など2隻、海自はイージス艦「こんごう」など2隻、計9隻が参加。海上遮断訓練などが行われた。

米韓、初の「サイバー同盟」訓練(~26日)

崔善(チェ・ソンヒ)外相ら北朝鮮代表団、ロシアを訪問(~17日)。崔は16日のプーチン大統領との会談で両国関係の発展を確認。プーチンは早期訪朝を希望した。また崔は同日ラブロフ外相とも会談した。

北朝鮮、ウガンダの首都カンパラで開かれた非同盟諸国首脳会議に代表団を派遣(~20日)。

118
日本海で日米共同空中訓練。
米軍のB-1Bと自衛隊のF-15などが参加。

日米韓の核問題担当高官、ソウルで会談。ミサイル実験、ロシアとの武器取引、敵対的な発言の増加について北朝鮮を非難。

国連安保理、14日の弾道ミサイル発射を受けて北朝鮮問題を協議する緊急の非公開会議開催。

119
北朝鮮国防省、国防科学院水中兵器システム研究所が日本海で水中核兵器システム「ヘイル(津波)-523」の重要な実験を実施したと発表。
日米韓の軍事訓練への対抗措置と説明。

米国の北朝鮮担当特別代表が交代。19日までにソン・キム氏は退任し、後任にジュン・パク氏が就任した。

124
北朝鮮、黄海へ向け新型戦略巡航ミサイル「プルファサル(火矢)3-31」を初の発射実験。

ロシア外相、日米韓は大規模合同演習等により「北朝鮮との戦争を準備」していると非難。

126
韓国国防調達計画局、北朝鮮に対する偵察能力を高めるための独自の中高度無人航空機の量産が始まったと発表。
開発は李明博(イ・ミョンバク)政権下の2008年より。

128
北朝鮮、潜水艦発射戦略巡航ミサイル「プルファサル(火矢)3-31」型を日本海に向け試射。
金正恩が指導。

130
北朝鮮人民軍、黄海に向けて戦略巡航ミサイル「ファサル(矢)-2」型の発射訓練。

21
中国の劉暁明(リュウ・シャオミン)朝鮮半島問題担当特別代表、スウェーデンのピーター・セムネビー朝鮮半島問題担当特使と会談。
スウェーデンは201910月に南北朝鮮の実務者会議を開催するなど朝鮮半島問題の解決に向けて関与を続けている。

22
北朝鮮ミサイル総局、巡航ミサイルの超大型弾頭実験と新型地対空ミサイルの試射。

朝鮮中央放送、金正恩総書記が南浦(ナムポ)の造船所を視察と報道。造船業の発展と海軍強化が最重要と述べる。

26
韓国統一省、脱北者への面接調査を基にした「北朝鮮経済・社会実態認識報告書」を刊行。

中韓外相が電話会談。中国の王毅外相は、朝鮮半島情勢に関わるすべての当事者が冷静さを保ち、緊張を悪化させるような言動を慎み、対話と協議を通じて懸念に対処することを望むと述べた。

27
北朝鮮最高人民会議常任委員会、南北の経済協力関連法の廃止に関する政令を全会一致で採択。
対象となったのは、朝鮮民主主義人民共和国北南経済協力法、金剛山国際観光特区法とその施行規定、北南経済協力関連合意書など。

スウェーデンのピーター・セムネビー朝鮮半島問題担当特使、ソウルで金健(キム・ゴン)朝鮮半島平和交渉本部長と会談。

29
岸田首相、衆議院予算委員会で日朝首脳会談実現への意欲を改めて示す。
金正恩との首脳会談へ向けて「具体的に様々な働きかけを行っている現状だ」と説明し、「大胆に現状を変えていかなければならない必要性を強く感じる」と述べる。

211
北朝鮮国防科学院、240ミリ多連装ロケット砲誘導弾の発射実験。
平安南道(ピョンアンナムド)の南浦(ナムポ)付近から黄海に向けて。

212
ジュリー・ターナー北朝鮮人権問題担当特使、日韓を訪問(~22日)。

214
金正恩総書記、新型地対艦ミサイル「パダスリ(ミサゴ)6」型の発射実験を指導。
韓国が独自に「北方限界線」を設けて実施する巡視活動を問題視し、北朝鮮が設定の海上境界線を侵犯すれば主権侵犯、武力挑発と見做すと断言。延坪島(ヨンピョンド)と白翎島(ペンニョンド)の北方の国境線水域での軍事的備えを強化するよう指示した。

韓国、ニューヨークでキューバと外交関係を樹立。水面下で交渉。

215
金与正党副部長、日本が北朝鮮を敵視する姿勢を改めるなら、両国は新たな未来を開いていけると発言。
個人的見解としつつも、日本が「解決済みの拉致問題や朝日関係改善とは何の縁もない核・ミサイル問題」をもちださなければ、両国が近づけない理由はないとした。岸田首相の平壌訪問の可能性にも言及した。

216
米国のブリンケン国務長官と中国の王毅外相が会談。
両外相は、出席したミュンヘン安全保障会議の機会を利用して、朝鮮半島情勢についても意見を交換し、あらゆるレベルで北朝鮮問題に関する意思疎通を継続することの重要性を確認した。

217
日米韓の国連代表部、北朝鮮の人権に関する国連調査委員会の報告書発表から10年に合わせ、世界で最も抑圧的な政権の一つとする共同声明を発出。

219
聯合ニュース、北朝鮮のウェブサイトから統一を象徴する朝鮮半島の画像の削除が続いていると報じる。
またNHKを引用する形で、北朝鮮が国歌の歌詞から朝鮮半島全体をさす「三千里」という単語を削除したことにも触れている。韓国を平和統一の対象とみなさない政策に転換したことの反映とみられる。

222
中国の劉暁明(リュウ・シャオミン)朝鮮半島問題担当特別代表、米国のジュン・パク北朝鮮担当特別代表とオンライン会談。
16日の米中外相会談での合意を受けて実施された(米国時間221日)。

226
韓国の申源湜(シン・ウォンシク)国防相、記者会見で北朝鮮の偵察衛星は画像転送信号が確認されていないと指摘。
ロシアの北朝鮮への食糧支援によって食料価格が安定しているとの見解を示した。

228
平安南道(ピョンアンナムド)の成川(ソンチョン)郡地方産業工場建設の着工式。
「地方発展20×10政策」で選定された都市のひとつ。金正恩総書記は演説で「地方発展20×10政策」で「前衛的役割」を担うために新たに創設された第124連隊の兵士らを激励した。

34
米韓合同軍事演習「フリーダムシールド(自由の盾)」(~14日)。
米国、韓国、オーストラリア、カナダ、フランス、英国など「朝鮮国連軍」参加国12か国が参加。野外機動訓練の数を昨年から倍増させ、48回実施した。演習に対して北朝鮮国防省報道官は声明で強く非難した。

36
金正恩総書記、西部地区重要作戦訓練基地を視察。

37
金正恩総書記、朝鮮人民軍の大連合部隊の砲撃訓練を指導。

311
「地方発展20×10政策」地方工業工場建設の着工式が複数の郡で順次行われていると朝鮮中央通信が伝える。
同通信が伝えたのは球場郡、雲山郡、燕灘郡、銀川郡、載寧郡、東新郡、雩時郡、高山郡、伊川郡、咸州郡、金野郡、金亨稷郡、長豊郡の着工式。

313
金正恩総書記、朝鮮人民軍戦車兵大連合部隊の訓練競技を指導。
金正恩が戦車を直接操縦。競技は近衛ソウル柳京守(リュギョンス)105戦車師団が「圧倒的な実力」で優勝した。

314
韓国統一省、韓国の拉致問題を解決するため、日本と協力し被害者家族の国際交流を支援する方針を明らかに。

315
金正恩総書記、朝鮮人民軍の「航空陸戦兵部隊」の訓練を指導。

韓国軍、北方限界線付近で大規模な軍事演習。白翎島(ペンニョンド)、延坪島(ヨンピョンド)など韓国北西部の島々で行われた。

318
超大型多連装ロケット砲の一斉射撃訓練を金正恩総書記が指導。
600ミリロケット砲の実践能力などを確認と説明。日韓政府は北朝鮮が平壌近郊から日本海に向け数発の短距離弾道ミサイルを発射したと発表。それによると、ミサイルは約300キロ飛行。最高高度は約50キロ。

ソウルで「未来世代のための民主主義」をテーマに民主主義サミット開催(~20日)。北朝鮮の人権状況の改善も議題に。

319
金正恩総書記が新型中・長距離極超音速ミサイル用固体燃料エンジンの燃焼試験を指導。

321
国連の北朝鮮制裁委員会専門家パネル、年次報告書を公開。
サイバー攻撃による核・ミサイル開発資金獲得の疑いや、北朝鮮に対する制裁逃れの石油精製品流入等について報告。報告によると、202319月に北朝鮮に持ち込まれた石油精製品は150万バレル超。安保理決議で定められた年間上限は50万バレル。

323
祖国統一民主主義戦線中央委員会が同組織の解体を正式に決定。

金成男朝鮮労働党国際部長が率いる朝鮮労働党代表団、北京を訪問。王毅外相らと会談。

324
金正恩総書記、朝鮮人民軍近衛ソウル柳京守第105戦車師団の司令部と直属第1戦車装甲歩兵連隊を視察。

325
金与正朝鮮労働党副部長、日本政府が首脳会談の提案があったと明かした上で、日朝関係は「日本の実際の政治的決断」次第という従来の立場を改めて示す。

326
金与正朝鮮労働党副部長、日本政府の立場が改めて明白になったと述べて、日本政府との接触は拒否すると表明。
前日の金与正の談話に対して林芳正官房長官が、「拉致問題が解決済みとの主張は受け入れられない」、拉致や核問題などを「包括的に解決」する方針に変わりはないと述べたことを受けて。

米韓政府、北朝鮮の石油精製品制裁逃れに対応するため実務協議体を発足(ワシントン)。

327
米財務省、北朝鮮の大量破壊兵器開発能力を強化するための資金送金に関与した疑いで6個人2団体を制裁対象に指定。

328
国連安保理、北朝鮮制裁専門家パネルの任期延長決議案を否決。
ロシアが拒否権。中国は棄権。

岸田文雄首相、記者会見で拉致問題などの解決に向け北朝鮮とのハイレベル協議を続けると表明。

329
崔善姫外相、「朝日の対話は我々の関心事ではなく、我々は日本のいかなる接触の試みも許容しない」と述べる。
日本の拉致問題について、解決努力する義務も意思も全くないと表明。

42
北朝鮮、極超音速弾頭を装着した固体燃料型の新型中長距離弾道ミサイル「火星―16B」の発射実験に成功。
金正恩総書記が現地指導。朝鮮中央通信によると、ミサイルは平壌市郊外から東北方向に発射され、最高高度は約100キロ、飛行距離は約1000キロだった。日韓当局は飛行距離について、600キロ程度と推定した。

日米韓、済州島南東区域で戦略爆撃機B-52参加の合同空中訓練実施。訓練に参加したB-52は横田基地に着陸。

米中首脳電話会談。朝鮮半島問題について、習近平国家主席は、脅迫と圧力をかけることをやめ、対話と交渉を再開し、対立激化のスパイラルから抜け出すべきと述べた。

韓国政府、ロシアの2団体と個人2人を独自制裁の対象にしたと発表。北朝鮮との武器取引や海外への労働者派遣に関わった事が理由。

410
日米首脳会談(ワシントン)。
共同声明で北朝鮮に関して「関連する国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化に対するコミットメントを改めて確認」。

韓国国会選挙。最大野党が圧勝。「共に民主党」が単独過半数を獲得。

411
日米韓、東シナ海で共同軍事訓練を実施(~12日)。
原子力空母「セオドア・ルーズベルト」など日米韓の艦艇6隻が参加し、北朝鮮の潜水艦などに対処するための対潜戦訓練を実施。

趙楽基(ジャオ・ラージー)中国全人代常務委員会委員長が北朝鮮を訪問(~13日)。11日に崔竜海(チェ・リョンヘ)北朝鮮最高人民会議常務委員長と会談し、両国間の文化・経済交流強化のための関連協力文書の署名に立ち会った。12日に中朝友好年開幕式に出席した。13日には金正恩総書記とも会談した。

2023年

2024年1月16日更新(2023年12月31日の出来事までを掲載)

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1月1日
北朝鮮、日本海に向けて弾道ミサイル1発を発射。最高高度は約100キロ、飛距離は約350キロ。朝鮮労働党中央委拡大会議で軍事工業部門から贈呈されたミサイルの試射。

1月2日
中国外務省の核担当責任者、韓国の金健(キム・ゴン)朝鮮半島平和交渉本部長との電話会談で北朝鮮の「懸念」に配慮するよう要請。

尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、核戦力の「共同計画」や「共同演習」ついて米国政府と議論と主張。朝鮮日報とのインタビューで。バイデン大統領は即座に否定。

韓国軍、合同参謀本部傘下に「核・大量破壊兵器(WMD)対応本部」を創設。

韓国の先端技術部隊「アーミータイガー示範旅団」と米軍の装甲車部隊「ストライカー旅団」による初の合同訓練を実施(~15日)。アーミータイガー示範旅団はドローンやAIなどの先端技術を導入した部隊で、2022年6月に創設した。

1月3日
韓国政府、米韓合同核演習否定のバイデン大統領に反論。
金恩慧(キム・ウンヘ)大統領室広報首席補佐官は、核戦力の「共同計画」や「共同演習」について米国と協議していると主張し、バイデンがそれを否定したのは、記者の質問の仕方に問題があったからだと述べた。

韓国統一部、2022年1年間に韓国民間団体から北朝鮮に対して12件、約5億円相当の支援物資支給と発表。文政権下で7件、尹政権下で5件。

1月4日
尹大統領、北朝鮮が再び韓国に侵入なら、南北軍事合意書破棄を検討するよう国家安保室に指示。
12月26日に北朝鮮の無人機が領空侵犯したことを受けて。

1月5日
韓国の国家情報院、国会情報委員会で北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)元外相が処刑されたとの報道に関して、未確認と説明。

1月11日
尹錫悦大統領、北朝鮮の核の脅威が増大なら、韓国は核武装する可能性があると発言。

日米外相・防衛相会談(2+2)開催(ワシントン)。共同声明で、北朝鮮のミサイル発射を強く非難し、核開発に懸念を示す。

1月12日
韓国大統領府、韓国の核武装を否定。
韓国はNPTを遵守し、北朝鮮の「脅威」に対しては米韓の「拡大抑止力」強化で対応と主張。

グテーレス国連事務総長、朝鮮半島非核化を巡る協議再開の責任は北朝鮮にあるとの考え示す。国連安全保障理事会の会合の場で。

韓国の政府系シンクタンク、韓国国防研究院、北朝鮮が核弾頭80~90発保有との報告書を公表。

1月13日
パテル米国務省報道官、韓国の核保有に対する米国の立場を聞かれ、我々の目標は朝鮮半島の完全な非核化であり、尹政権も核武装しないと明確に述べていると回答。

1月17日
北朝鮮、第14期第8回最高人民会議開催(~18日)。
2022年の決算と2023年の予算編成の報告があり、国防費は歳出額の15.9%、経済発展や人民生活向上のための社会主義経済建設関連予算には同45%が充てられた。いずれも前年と同水準。また会議では「平壌文化語保護法」を採択。韓国文化の影響を排除する目的と見られる。

1月19日
米国シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)が対北朝鮮政策に関する提言で日韓への拡大抑止強化などを提案。

1月20日
米国政府、北朝鮮との国境を移動するロシアの列車を捉えた衛星写真を根拠に、北朝鮮がウクライナ戦争に参戦のロシアの民間軍事会社「ワグネル」に兵器を提供していると主張。
衛星写真は2022年11月18日撮影のもの。

1月22日
国連人道問題調整事務所(OCHA)の統計で、国際機関の対北朝鮮人道支援の大幅縮小が明らかに。
2022年の支援は234万ドルで、金正恩政権1年目の2012年の約1.9%まで縮小した。(聯合、23//1/22)

1月23日
バイデン大統領、2017年1月以来空席だった北朝鮮人権問題担当特使に国務省高官のジュリー・ターナーを指名。

1月24日
ポンペオ前国務長官、回顧録を出版。
北朝鮮で行われた会談で金正恩は「在韓米軍は必要だ」などと述べていたと主張した。

1月25日
北朝鮮、コロナ対策で首都平壌を封鎖(~29日)。

1月26日
国連軍司令部の軍事休戦委員会、北朝鮮と韓国が共に休戦協定違反との特別調査結果を発表。
前月に無人機で領空侵犯の北朝鮮と、対抗措置として南北軍事境界線の北朝鮮側に無人偵察機飛行の韓国について。

1月29日
北朝鮮外務省のクォン・ジョングン米国担当局長、米国が主張するロシアへの軍事物資提供疑惑を否定。

1月30日
韓国ギャラップの世論調査、韓国の独自核開発「必要」が76.6%。韓米日3か国安保協力についても71.9%が肯定的に評価。

国連安保理、「北朝鮮の核・ミサイル問題」で非公開会合。

1月31日
米韓国防相会談(ソウル)。北朝鮮の核を念頭に「拡大抑止」強化や米韓合同軍事演習の規模拡大などで一致。

米韓空軍が黄海上空で軍事訓練。韓国からはF-35Aステルス戦闘機、米国からはB-1B戦略爆撃機、F-22、F-35B戦闘機が参加。韓国国防省は「北朝鮮の核・ミサイルに対し、強力で信頼性のある拡大抑止を提供するという米国の意志と能力を見せる訓練だ」と趣旨を説明(毎日、23/2/3)。

2月2日
北朝鮮外務省、拡大抑止の強化を含む米韓の軍拡に対して警告。米韓などの敵対的な行動にはいちいち反応はしないと断ったうえで、米国には「核には核」、「正面対決には正面対決」で対応するという原則と、米国が敵視政策を続ける限り対話には応じないという従来の立場を繰り返した。(朝鮮中央通信、23/2/2)

2月3日
韓国軍、黄海上空で米国との合同訓練を実施と発表。米韓のF-35、米軍のF-22、F-16CMなどが参加。

米韓外相会談(ワシントン)。拡大抑止強化などで一致。

2月6日
朝鮮労働党中央軍事委員会第8期第4回拡大会議で軍事政策に「大転換をもたらす」ための課題を討議し、関連の決定事項を採択。「拡大会議では、軍事活動を根本的に改善、強化するための機構編制的な対策を立てる問題、現在の情勢に対処して人民軍の作戦戦闘訓練を不断に拡大、強化し、戦争の準備態勢をより厳格に完備する問題」などが課題となった。(朝鮮中央通信、23/2/7)

2月8日
北朝鮮、金日成広場で朝鮮人民軍創建75年の軍事パレードを実施。過去最多のICBMが披露され、新たな固体燃料型ICBMと見られるものも含まれていた。

2月10日
韓国政府、仮想通貨奪取などのサイバー犯罪に関与した疑いで北朝鮮の4個人と7機関を独自制裁の対象に指定すると発表。

2月15日
平壌和盛地区の第2段階1万世帯分の住宅建設と江東温室農場建設の着工式が行われる。
いずれも党中央委員会第8期第6回総会で決定された重要計画で、金正恩も式典に参加した。

2月16日
韓国国防省、白書で北朝鮮は「敵」との位置づけを復活。
2016年の白書以来。

国連安保理、「不拡散と北朝鮮」をテーマに非公開会合。

2月17日
北朝鮮外務省報道官、米韓の軍事的示威行動及び米国追従の国連を非難。
北朝鮮が軍事的行動を抑制してきたことを強調した上で、空軍による合同訓練など北朝鮮侵略を意図した米韓の軍事行動については沈黙している国連安保理を非難。米韓に対しては、大規模軍事演習を実施なら「これまで見られなかった持続的で前例のない強力な対応に直面することになる」と警告。(朝鮮中央通信 23/2/17

2月18日
北朝鮮がICBM火星15の発射訓練。
朝鮮中央通信(23/2/19)によると、訓練は、事前通知なしに行われた。「不意の奇襲発射訓練を通じて兵器システムの信頼性を再確認および検証するとともに共和国核戦力を戦闘準備態勢につかせ、国家核抑止力部隊の正確な運用、反応性、信頼性、効果性、戦闘力に対する信頼性と保証を立証」することが目的。最高高度5768.5キロ、飛距離は989キロ。

2月19日
金与正党中央委副部長が米韓と国連に対して警告。
国連加盟国に対して国連安保理を対北朝鮮敵視政策追求のために利用する米国に追随しないよう呼び掛けると共に、米韓が敵対的行動を行うごとに強力な対抗措置を取ると警告した。(朝鮮中央通信 23/2/19

ICBM発射の北朝鮮への対抗措置で、米韓、日米がそれぞれ米国の戦略爆撃機B-1Bを動員した軍事訓練を実施。

国連グテーレス事務総長、ICBM発射の北朝鮮に対して「挑発的行動」の即時中止と安保理決議の遵守、「持続可能な平和と朝鮮半島の完全かつ検証可能な非核化につながる対話」の再開を要請。

2月20日
朝鮮人民軍西部前線長距離砲兵部隊のロケット砲射撃訓練で2発のロケット砲弾を発射。
600ミリロケット砲を使用し、395キロと337キロ先の標的に着弾。最高高度は100キロと50キロ。米韓への警告が目的。

国連安保理、北朝鮮のICBM発射で緊急会合開催。安保理としての非難声明は中ロの反対で出せず。会合後に日米を含む安保理理事国10か国に韓国を加えた11か国が共同で非難声明を発表した。

韓国政府、個人4人と5団体を北朝鮮に対する独自制裁の対象に追加と発表。

2月21日
G7外相、共同声明で北朝鮮によるICBM発射を強く非難。

2月22日
日米韓3か国、日本海でミサイル防衛合同訓練。
イージス艦「あたご」、「世宗大王」、「バリー」が参加。日韓間の情報共有は米艦船を介して行われた。

北朝鮮外務次官、北朝鮮の軍事行動だけを一方的非難の国連事務総長を批判。(朝鮮中央通信 23/2/22

米国防総省、北朝鮮の核兵器使用を想定した机上演習を韓国軍と共に実施したと発表。米国防総省によると「北朝鮮の核の脅威に対する核抑止力を支援するために、韓国の非核能力をどのように活用するのが最善であるかについて議論した」(米国防総省 23/2/23

2月23日
北朝鮮、巡航ミサイル発射訓練を実施。
咸鏡北道金策から日本海に向けて、「戦略巡航ミサイルファサル(矢)2」型を4発発射した。(朝鮮中央通信 23/2/24

米ロサンゼルス級原潜「スプリングフィールド」が釜山に入港。米海軍が25日に公表。

2月24日
クォン・ジョングン北朝鮮外務省米国担当局長、米国と国連の二重基準を非難するとともに、米国に対して緊張緩和に向けて北朝鮮への敵対的な行動を停止するよう勧告。
「朝鮮半島と周辺地域で軍事的緊張激化の悪循環を防ぐための唯一の方法は、米国が南朝鮮に対する戦略資産展開公約を放棄し、北朝鮮に対する各種名目の共同訓練を中止するなどの明白な行動的立場を見せることである」と述べ、「米国が北朝鮮に対する敵対的で挑発的な慣行を続けていれば、わが国家に対する宣戦布告と見なされる」と警告。(朝鮮中央通信 23/2/24

2月26日
朝鮮労働党中央委員会第8期第7回総会拡大会議開催(~3月1日)。2022年12月末から僅か2か月足らずでの異例の開催。農業問題が主なテーマで、農業発展に向けた新時代の農村革命綱領実現のための方針などが採択された。

3月1日
米財務省、北朝鮮の大量破壊兵器および弾道ミサイルプログラムに対する資金提供を理由に3団体、2個人を制裁リストに追加。

3月3日
米韓、黄海や朝鮮半島上空で合同空中訓練を実施。
戦略爆撃機B-1Bなどが参加。

米韓軍当局、3月13日~23日まで米韓合同軍事演習「フリーダムシールド」実施と発表。

3月4日
北朝鮮外務省、米国と韓国の軍拡を非難した上で、北朝鮮の核武装を正当化する文書を発表。
北朝鮮外務省軍縮・平和研究所のク・ヨンチョル研究員、ABM条約脱退やINF条約破棄など、核軍縮の枠組みを壊した米国の過去の行動を指摘した上で、朝鮮半島で軍拡を続ける米韓を非難し、それに対処するために核抑止力が必要だと主張。

北朝鮮の金先敬(キム・ソンギョン)外務次官、米韓の軍事行動に沈黙の国連を再び非難し、国連と国際社会に対して米韓の「挑発的言動」と合同軍事演習の中止を要請するよう求める談話を発表。

3月5日
北朝鮮国家宇宙開発局パク・ギョンス副局長、人工衛星の多機能、高性能化に進展があると記者会見で表明。

3月6日
米韓空軍、核兵器搭載可能な戦略爆撃機B-52Hも参加して合同空中訓練を実施。
日米も日本海上空でB-52を動員した軍事演習を実施。

IAEAグロッシ事務局長、定例理事会で北朝鮮は豊渓里(プンゲリ)核実験場で「3番坑道を復旧して核実験が可能な状態を維持」と指摘。

韓国政府、元徴用工訴訟に関する「解決策」を発表し、日韓の安全保障協力体制の強化への道を開くと表明。「解決策」は日本政府の主張を全面的に取り入れた内容で、原告のうち生存している被害者は受け入れを拒否。

北朝鮮外務省、B-52Hを動員して軍事訓練を行った米韓を非難し、改めて軍事的な敵対行為をやめるよう米韓に求める。国際社会にも米韓への働きかけを呼びかけ。

3月7日
金与正朝鮮労働党副部長、公海とその上空で行われる北朝鮮の実験に対して軍事的な対応をすれば北朝鮮に対する「明白な宣戦布告」と見做すと述べ、米韓の軍事行動に対して「圧倒的な行動をとる準備態勢にある」と警告。
韓国の朝鮮日報は前日、アキリーノ米インド太平洋軍司令官が北朝鮮が発射なら直ちに撃墜すると発言したと報じていた。

北朝鮮人民軍総参謀部、南北境界線付近の京畿道(キョンギド)坡州(パジュ)市で、「敵」が30発余りの砲撃を行ったと主張し、米韓に対し軍事境界線付近での軍事行動を中止するよう警告。韓国政府は砲撃について否定。

米韓、北朝鮮のサイバー脅威に関する第3回作業部会を開催(ワシントン)。

韓国の国家情報院、北朝鮮が3月から4月に大規模な軍事演習を実施し、その際に新型ICBMの発射実験をする可能性があると報告。

3月9日
北朝鮮、軍事訓練で短距離弾道ミサイルを発射。
朝鮮人民軍西部前線の火星砲兵部隊が韓国空軍基地攻撃を想定し南浦(ナンポ)付近から黄海に向けて発射。金正恩が指導。公開された写真には6基の移動式発射台からミサイル6発が同時に発射される様子が映っている。(朝鮮中央通信2023/3/10)。韓国軍は、当初は1発としていたが、その後、数発を発射に修正した。

3月10日
米国国連大使、3月17日に北朝鮮の人権問題に関する安保理非公式会合を開催することが
決定したと発表。
米国とアルバニアが要請。日韓も共同提案国に。

3月11日
朝鮮労働党中央軍事委員会第8期第5回拡大会議開催。「農村振興と地方建設、社会主義大建設を加速させるための人民軍の活動方向と具体的な任務を確定した」。また「米韓の戦争挑発策動が重大な危険ライン」へ突き進んでいる現在の情勢に対処して、「国の戦争抑止力をより効果的に行使し、威力あるものに、攻勢的に活用するための重大な実践的措置が討議、決定された」。(朝鮮中央通信、23/3/12)

3月12日
北朝鮮、潜水艦「8・24英雄艦」から2発の戦略巡航ミサイルを日本海に向けて発射。
「8」の字型の飛行軌道で2時間6分飛行し、1500キロ先の海上に設定された標的に命中した。潜水艦からの発射は初めて。

北朝鮮外務省、同国の人権問題に関する国連安保理会合要請の米国を非難する声明を発出。

3月13日
米韓合同軍事演習「フリーダムシールド」始まる(~23日)。
20日からは韓国の浦項(ポハン)で大規模な合同上陸訓練を4月3日まで継続。2017年以来最大規模。

呉世勲(オ・セフン)ソウル市長、ロイターとのインタビューで、北朝鮮に対する防衛力を強化するため韓国は核兵器を開発すべきと主張。

3月14日
北朝鮮、地対地戦術弾道ミサイル2発を発射。
黄海南道長淵郡(ファンヘナムド・チャンヨングン)から発射。飛行距離は611.4キロメートル。米韓は短距離弾道ミサイル「KN23」と分析。

3月16日
北朝鮮、平壌の順安(スナン)付近から日本海に向けICBM火星17の発射訓練。
米韓軍事演習への対抗措置。高度6045キロ、飛距離1000キロ。金正恩国務委員長が現地指導。

日韓首脳会談にて、両国の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の安定的運用で合意韓国国防省、いつでも協定を破棄できるとしていた状態を撤回するための手続きに着手。
(注)
GSOMIAは軍事上の機密情報を共有するための取り決めで、日韓は2016年に締結。それまで両国は米国を介して情報を共有していた。日韓関係の悪化を受け2019年に韓国大統領府は日本とのGSOMIA破棄を発表していたが、米国の要請で失効には至っていなかった。

3月17日
国連事務総長、北朝鮮のICBM発射を非難。

日米、日本海上空で戦闘機の合同訓練を実施。

国連安全保障理事会、北朝鮮の人道状況に関わる非公式会合開催。米国とアルバニアが主催し、オブザーバーを含めて約70か国が参加。米国や日本等は公式会合を望むが、中露の反対で実現できず。

3月18日
北朝鮮、「核反撃仮想総合戦術訓練」を実施(~19日)。
部隊訓練の他に、合同軍事演習を繰り返す米韓への警告が目的。訓練を指導した金正恩は、国防のためには単に核を「保有」するだけではなく、敵に対していつでも迅速に稼働できる「核攻撃態勢を完備」する必要があると述べ、「核戦争抑止力を幾何級数的に増大」する必要があると訴えた。

日米、日本海でミサイル防衛共同訓練を実施(~19日)。

3月19日
北朝鮮、平安北道(ピョンアンプクド)鉄山(チョルサン)郡から日本海に向け弾道ミサイル1発を発射。
飛距離約800キロ、最高高度約50キロ。「核反撃仮想総合戦術訓練」の一環で行われた「戦術核攻撃を模擬した弾道ミサイル発射訓練」で、目標上空800メートルで「空中爆発」させ、「核爆発制御装置と起爆装置の動作の信頼性」を検証した。米国務省のパテル副報道官は、21日、戦術核兵器使用のシミュレーションをしている点に強い懸念を示した。

日本海上空で航空自衛隊と米空軍の共同訓練を実施。

G7外相、北朝鮮のICBM発射を強く非難する共同声明を発表。さらに、中ロの拒否権で安保理が行動をとれないことにも強い遺憾の意を表明した。

金先敬(キム・ソンギョン)北朝鮮外務次官、北朝鮮のICBM発射非難の国連事務総長を糾弾。

チョ・チョルス北朝鮮外務省国際機構局長、国連安保理で北朝鮮の人権問題提起の米国を非難。

3月20日
国連安保理、北朝鮮のICBM発射で緊急会合。

米韓合同上陸訓練「双竜訓練」開始(〜4月3日)。今回の上陸訓練は5年ぶりの規模。韓国海軍の大型輸送艦「独島」に加え、F-35Bステルス戦闘機を搭載し、水陸両用車の発着が可能な米強襲揚陸艦「マキン・アイランド」も合流した。訓練には英国海兵隊も参加し、オーストラリア軍はオブザーバー参加した。

3月21日
北朝鮮、「核無人水中攻撃艇『ヘイル』」の実験を実施(~23日)。
「自衛的核戦力」の信頼性検証と、敵への警告が目的。咸鏡南道利原郡(ハムギョンナムド・リウォングン)の海岸で訓練に投入された核無人水中攻撃艇は80~150メートルの深度で59時間12分を潜航して3月23日午後、敵の港を想定した洪原(ホンウォン)湾水域の目標点に到達し、実験弾頭が水中爆発した。実験を指導した金正恩は、度重なる警告にもかかわらず北朝鮮に対する軍事的挑発を続ける米韓に対処するためには核抑止力の強化が必要だと訴えると共に、米韓に対して軍事演習をやめるよう警告した。

韓国外務省、北朝鮮の人工衛星開発に関わる品目の輸出を規制する「監視リスト」を発表。監視対象の77品目は、第三国経由の北朝鮮への輸出が禁止される。

韓国外務省、「軍事情報包括保護協定」(GSOMIA)の「正常化」について、外交ルートを通じて日本側に正式に通知。尹錫悦大統領、「日米韓、韓日の軍事情報協力を強化する足場を築いた」と、正常化の意義を強調した。

スウェーデンがEUを代表して国連人権理事会に北朝鮮人権決議案を提出。韓国は5年ぶりに共同提案国。

3月22日
北朝鮮、咸鏡南道(ハムギョンナムド)咸興(ハムン)から戦略巡航ミサイル「ファサル(弓)1、2」を2発ずつ発射。
高度600メートルで空中爆発させて核爆発制御装置と起爆装置の動作を再度検証した。楕円や「8」の字を描きながら、それぞれ1500キロ、1800キロを飛行。

チョ・チョルス外務省国際機構局長、緊急会合開催の安保理を非難する談話を発表。
CVIDと人権問題が議論されたことを問題視した上で、「いかなる勢力であれ、北朝鮮にCVIDを適用してみようとするなら、北朝鮮の核戦力政策法令によって断固とした対応を受けることになる」と警告。

韓国国防省、6月に米軍と合同で過去最大の実弾演習を実施すると発表。「力を通じた平和」に向け、「実弾演習では、連合軍は前例のない規模で同盟の強大な火力と機動性を示す」と説明。

3月23日
中国の耿爽(ゲン・シュアン)国連常駐副代表、対北朝鮮制裁がもたらす人道上の悪影響への配慮を安保理に求める声明を発出。

3月24日
韓国政府、北朝鮮への軽工業原材料関連の借款8,000万ドルの返済義務の履行を要求。

3月27日
北朝鮮、軍事訓練で日本海に向け短距離弾道ミサイル2発を発射。飛距離約350キロ、高度約50キロ。平壌市力浦(リョクホ)地区から咸鏡北道金策(ハムギョンプクドキムチェク)市沖の上空500メートルで模擬の核弾頭を空中爆発させた(朝鮮中央通信、23/3/28)。
金正恩、国家防衛のためには核兵器を「いつでもどこでも」使えるように準備しておく必要があると述べ、核兵器の増産を指示。「核兵器化事業」を指導した朝鮮核兵器研究所で。北朝鮮の核戦力は特定の国家を相手にしたものではなく、戦争を阻止するためにあるとも述べた。
3月28日
米韓合同訓練に参加している米原子力空母「ニミッツ」、釜山に入港。
3月30日
米財務省、北朝鮮からロシアへの武器売買に関与した疑いで、スロバキア国籍の1名を制裁リストに追加。北朝鮮からロシアへの武器供与に関して初の制裁。
核兵器搭載可能な米軍の戦略爆撃機B-52Hが朝鮮半島周辺の海域上空を飛行。B-52は同日、日本海で自衛隊とも共同訓練を実施した。
3月31日
韓国統一部、北朝鮮人権報告書の2023年版を公開。これまでは機密文書として非公開だったが今回初めて公開した。
4月2日
朝鮮中央通信、論評で米韓の戦争準備に警告。米韓の合同軍事演習の詳細を紹介し、朝鮮戦争開戦時を彷彿させる動きだと指摘した。
日中外相会談開催(北京)。朝鮮半島情勢についても意見を交換した。
4月3日
日米韓、北朝鮮を念頭に済州島南方の公海で対潜水艦訓練実施(~4日)。
4月4日
北朝鮮国防科学研究機関が水中戦略兵器システムの試験を実施(~7日)。核無人水中攻撃艇「ヘイル(津波)2」が1000キロ先の目標に向けて71時間6分潜航し、模擬弾頭を起爆させた。
国連人権理事会、北朝鮮の人権状況の非難決議を採択。決議案はEUを代表してスウェーデンが提出し、韓国は5年ぶりに共同提案国に。
4月5日
米韓空軍合同訓練でB-52Hが朝鮮半島に展開。
4月6日
日米韓朝鮮半島問題担当官、ソウルで会合(~7日)。6日に発表された共同声明は、各国に対し対北朝鮮制裁安保理決議(2397および2375)を順守し、北朝鮮国籍の労働者に就労許可を更新または付与しないことなどを求めた。
4月7日
日本政府、対北朝鮮独自制裁の2年間延長を閣議決定。
北朝鮮、南北共同連絡事務所を通じた韓国との定時連絡を一方的に停止。
4月10日
朝鮮労働党中央軍事委員会第8期第6回拡大会議。金正恩は「日増しに悪化している朝鮮半島の安全保障環境をいっそう厳格に統制・管理するため」に、「われわれの戦争抑止力をいっそう実戦的・攻撃的に拡大し、効率的に運用」する必要があると強調(朝鮮中央通信、23/4/11)。また朝鮮中央通信(同)は金正恩が会議で「前線攻撃作戦計画と複数の戦闘文書」を確認と伝える。
4月13日
北朝鮮、固体燃料式の新型ICBM「火星18」の初めての試射を実施。約1000キロ飛来し日本海に落下。韓国軍などは高度3000キロ未満と推測。
4月14日
米韓、朝鮮半島上空で核兵器搭載可能な戦略爆撃機B-52Hも参加する合同軍事訓練を実施。日米も同じ日にB-52参加の共同訓練を実施した。
韓国統一部、2023年版「統一白書」を公表。「朝鮮半島非核化」の表現を「北の非核化」へ変更。

4月17日
日米韓、日本海で「ミサイル防衛訓練」を実施。

米韓合同軍事訓練(17日~28日)

朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長の李炳哲元帥が開催予定の国連安保理会合召集を批判。北朝鮮の核は「米国の増大する軍事的脅威」などから北朝鮮を守り、「戦争を抑止」するための「自衛力強化措置」だと主張し、北朝鮮侵略を意図した米韓の軍事的動向を黙認する一方で北朝鮮の「自衛的国防力強化措置」を問題にするのは「明白な二重基準」だと批判。

国連安保理、13日の北朝鮮のICBM発射で緊急会合を開催。日米とヨーロッパの理事国が要請。

4月18日
G7広島サミット外相会合、共同声明で北朝鮮のミサイル発射を非難。
国連制裁決議、NPT遵守を北朝鮮政府に要求し、NPTの下で北朝鮮が核兵器国の地位を有することは許されないと述べる。

4月21日
チェ・ソンヒ外相、G7外相会合の北朝鮮非難を受けて談話。
北朝鮮の核保有は「誰かからの承認を受けるためではなく、徹頭徹尾、米国の威嚇から自国を防御するためにやむをえず核を持つことになった」ところにその本質があると主張し、「世界的な核大国としての北朝鮮の地位は、最終的で不可逆的」だと説明。「今、変わらなければならないのは、われわれではなく、まさに米国であり、米国は対北朝鮮敵視政策を根源的に完全に撤回してこそ、自国の安全が保証されるということを熟考すべきである」とも述べる。

4月22日
浜田靖一防衛大臣、自衛隊に破壊措置準備命令。沖縄県への地対空誘導弾「PAC3」部隊や、イージス艦の展開を指示。

4月24日
米韓政府、サイバー分野で北朝鮮の個人1人を制裁対象に指定。
米韓両政府が同時にサイバー分野で制裁を科すのは今回が初めて。

4月25日
米司法省、対北朝鮮制裁決議に反して北朝鮮とのビジネスを行ったブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)及びその子会社と6億2900万ドル(約840億円)以上の罰金の支払いで合意したと発表。
またワシントンの連邦裁判官は、北朝鮮での違法なたばこビジネスに関わった北朝鮮及び中国国籍の3人に対する起訴状を出した。加えて、米国務省は3人の逮捕や有罪判決につながる情報に対して懸賞金を出すことを発表した。

4月26日
米韓首脳会談、「ワシントン宣言」を発表。
核弾道ミサイルを搭載する米国の戦略原子力潜水艦の韓国への派遣など、朝鮮半島への米国の戦略兵器の展開の拡大や、米韓が「核抑止」を議論する「核協議グループ(NCG)」の設立などを盛り込む。共同記者会見でバイデン大統領は北朝鮮が核攻撃を行えばその体制は「終焉」することになると改めて警告。尹錫悦大統領は「相手国の好意に基づく偽りの平和ではなく」て、核抑止力の「圧倒的な力で優越することによって平和を達成することができる」と主張。

4月28日
金与正朝鮮労働党副部長、「ワシントン宣言」を非難。
「ワシントン宣言」は、最も敵対的で侵略的な行動意志が反映された極悪な対朝鮮敵視政策の集約化した所産として、北東アジア地域と世界の平和と安全を一層危険にさらす結果を招くであろうし、間違いなく歓迎されない行為となる」と述べた。その上で、「敵が核戦争演習に狂奔するほど、朝鮮半島地域により多くの核戦略資産を展開するほど、われわれの自衛権行使もそれに正比例して増大するであろう」と警告した。

5月2日
尹錫悦大統領、「ワシントン宣言」が朝鮮半島の緊張を高めると批判の中国に反論。
中国は批判の前に北朝鮮に対する安保理制裁は守らなければならない。「私たちには選択の余地がない」と主張した。

韓国外務省、金与正の「ワシントン宣言」非難に対し「全ての責任は不法な挑発と無謀な核開発を行う北にある」と反論。

5月7日
日韓首脳会談(ソウル)。
北朝鮮に対する抑止力強化を確認。尹大統領は、会談後の共同記者会見で、「ワシントン宣言」により作られた拡大核抑止の枠組みへの将来的な日本の参加を排除しないと発言。

5月10日
北朝鮮外務省日本研究所研究員が「岸田の南朝鮮訪問は日本の安保にどんな『寄与』をしたか」と題する文書で日韓首脳会談を非難。
米韓の新たな核協議グループ(NCG)に日本が参加しないよう警告。

5月16日
金正恩総書記、軍事衛星施設を視察し、軍事偵察衛星1号機発射に向けた行動計画を承認。

日本経済新聞、北朝鮮が日本から約980億円の仮想通貨をハッキングと報じる。英エリプティック社の調査によると、北朝鮮系のハッカー集団「ラザルスグループ」が使う電子財布(ウォレット)に仮想通貨が流出した事業者を拠点地域別に分類したところ、2017年以降に日本から奪取した額は7億2100万ドル(約980億円)に上り、世界全体の被害(23億ドル)の約3割を占めた。

5月17日
カナダのトルドー首相、尹大統領との共同声明で北朝鮮の核・ミサイル開発を「強く非難」。
また、韓国議会での演説でカナダは今後北東アジア地域での軍事的関与を強化すると表明。

5月19日
朝鮮中央通信、フリーダム・シールドや双竜訓練、戦略爆撃機B-52の飛来など一連の米韓による軍事行動が朝鮮半島の安全保障環境を悪化させていると非難。

5月20日
G7広島サミット首脳宣言を発出。
北朝鮮に対しては、弾道ミサイル発射を強く非難するとともに、核実験や弾道ミサイル発射など不安定化やエスカレートをもたらす行動を自制するよう求めた。また、そうした行動に対しては、国連安保理による「更なる重大な措置」を含む「迅速で、結束した、力強い国際的な対応」をとる必要があると主張した。

5月21日
日米韓首脳会談(広島)。
G7サミットに合わせて開催。

5月22日
韓国の尹錫悦大統領とウァズラ・フォン・デア・ライアン欧州委員会委員長およびシャルル・ミシェル欧州連合大統領が会談(ソウル)。
安保協力強化などを確認するとともに北朝鮮の核・ミサイル開発を非難。会見でフォン・デア・ライアンは「ウクライナに対するロシアの軍事侵略が受け入れられないのと同じように、我々は北朝鮮の継続的な核の威嚇を非難する。我々は断固として韓国の側に立つ」と述べた。

5月23日
韓国外務省、IT技術者による外貨稼ぎに関与したとして北朝鮮の3団体と7個人を独自制裁の対象に指定。
同日、米財務省も不正なサイバー活動に携わった容疑で北朝鮮の4団体と1個人に制裁を科したと発表した。

5月25日
韓国、国産ロケット「ヌリ号」で観測衛星を軌道に乗せることに成功。

米韓、韓国北部の京畿道抱川(キョンギド・ポチョン)で北朝鮮との陸上戦を想定した合同火力訓練を実施(~6月15日)。2017年以来のもので過去最大規模。韓国国防省によると、訓練では、侵略してきた北朝鮮軍の最前線部隊への砲撃や空爆をし、さらに後方地域を攻撃し、北朝鮮による軍事的脅威を「完全に殲滅」することを目的とした訓練を実施した。北朝鮮の脅威に対抗して「圧倒的な力による平和」を確立することをめざすとした。以降、6月2日、7日、12日、15日に同様の訓練。

5月27日
岸田首相、「日朝首脳会談を早期に実現すべく、私直轄のハイレベル協議を行いたい」と発言。
日本人拉致問題の「国民大集会」で。これに対し、北朝鮮の朴尚吉(パク・サンギル)外務次官は、同日、「日本が新たな決断を下し、関係改善の活路を模索しようとするなら、朝日両国が会えない理由はない」と反応した。

5月29日
北朝鮮、日本政府に対して人工衛星を5月31日午前0時から6月11日午前0時の間に発射すると通告。
国際海事機関(IMO)には30日に通告した。こうした事態を受けて日米韓外務当局が電話協議をし、北朝鮮に強く自制を求めた。また、防衛省は破壊措置命令を出し、地対空誘導弾パトリオット(PAC-3)などを沖縄県などに展開した。

朝鮮労働党中央軍事委員会の李炳哲副委員長(朝鮮中央通信、23/5/29 )、米韓などの軍拡を理由に自衛力強化策としての軍事偵察衛星打ち上げの正当性を主張。衛星は「6月に打ち上げられる」と述べた。

5月30日
韓国軍、黄海上の北方限界線(NLL)近くで陸海空軍と海兵隊による離島防衛訓練を6年ぶりに実施(~6月1日)。

5月31日
北朝鮮、軍事衛星の打ち上げに失敗。
日米韓や国連事務総長などが非難。一方中国は、関係国に「対話の再開」を求めると述べ、北朝鮮を非難しなかった。
 北朝鮮の国家宇宙開発局は、欠陥を修正して「可能な限り早期に2回目の発射を断行する」と表明した。

国際海事機関(IMO)、北朝鮮の衛星発射に対する非難決議を採択。IMOが特定の国を非難する決議を出すのは史上初。少なくとも発射の5日前までに通知すべきという規定があるにも関わらず、北朝鮮が通知から2日で発射したため。日米韓など13か国が決議案を提案した。

済州島周辺海域で「拡散に対する安全保障構想(PSI)」の多国間訓練を実施。日本、米国、韓国、オーストラリア、シンガポール、カナダなどが参加。

韓国の国家情報院、北朝鮮の食糧難で餓死者が例年の3倍、自殺も増えたと報告。

6月1日
金与正朝鮮労働党副部長、談話で北朝鮮の衛星打ち上げに対する米国などの批判に反論。
衛星打ち上げは国家の主権だと主張。

金先敬(キム・ソンギョン)北朝鮮外務次官、談話で米韓などの海上封鎖訓練を非難。「地域の緊張をさらに高め、危険極まりない」と主張。

米国務省や韓国外務省など、北朝鮮のサイバー集団「キムスキー」に対するサイバーセキュリティー勧告を発出。勧告には、学術機関や報道機関などを標的として偽装メールで情報収集を行う「キムスキー」に関する情報と対策が含まれている。

6月2日
チョ・チョルス北朝鮮外務省国際機構局長、北朝鮮の衛星打ち上げ発射非難の国連事務総長を批判する談話を発表。

国連安保理、北朝鮮の衛星打ち上げを受けて緊急会合。日本、米国、英国、フランス、アルバニア、エクアドル、マルタが要請。ローズマリー・ディカルロ国連政治・平和構築担当事務次長、北朝鮮が一方的に地域の緊張を高めているとの認識を示し、安保理に一致した対応を求めたが、発射を非難する日米欧などと北朝鮮を擁護する中ロの対立で、安保理としての一致した対応はしなかった。中国は、米国が朝鮮半島情勢を冷静かつ正しく評価し、対話の早期再開のための努力と条件整備、政治的解決の促進のための実際的行動を取ることを望むと述べた。ロシアも米韓が大規模な射撃訓練を実施したことに触れ「地域を不安定化させている」と米韓を非難した。

6月3日
日米韓防衛相会合、北朝鮮のミサイル情報をリアルタイムで情報共有するためのシステムを数か月以内に開始することで合意。
また共同声明において「国連安保理決議に従った朝鮮半島の完全な非核化」に向けて協力を確認する一方で、米国は「核を含むあらゆる能力に裏打ちされた、日本及び韓国に対する確固たる同盟のコミットメントを再確認」した。

金与正、北朝鮮の衛星打ち上げで緊急会合召集の国連安保理を糾弾。

6月4日
朝鮮中央通信、国際海事機関(IMO)を強く非難する「国際問題評論家」金明哲執筆の批判文を掲載。
北朝鮮は「規定通り」に事前通報を行ったと主張し、IMOは米国の言いなりで、「反北朝鮮『決議』」で応えたとして、「これをわれわれの事前通報がこれ以上必要でないというIMOの公式的立場の表明と見なす」と強く非難した。

6月8日
北朝鮮国家海事監督局、IMOの「不公正で不法」な決議を糾弾する談話を出し、衛星打ち上げを正当な行為と主張する北朝鮮の立場をIMOの公式に反映するよう要求。

岸田文雄首相、参院財政金融委員会で金正恩総書記との首脳会談の早期実現を目指して「あらゆる機会を逃さず」、「私直轄のハイレベル協議をする努力を続けたい」と述べる。

6月10日 
韓国抱川(ポチョン)で尹政権退陣を求めるキャンドル集会開催。38の市民団体の共催。軍事力強化で「力による平和」を掲げる尹政権の姿勢を批判し、米韓合同火力訓練についても糾弾した。

6月11日
防衛省、北朝鮮の衛星発射に対する破壊措置命令の延長を発表。

6月14日
韓国政府、2020年の南北共同連絡事務所爆破で北朝鮮に賠償請求。
ソウル中央地裁に訴状を提出。

6月15日
北朝鮮国防省報道官、5月25日から6月15日まで5回にわたって行われた米韓の合同火力訓練を糾弾し、米韓の軍事行動には徹底的に対抗措置を講じると警告。

北朝鮮、順安(スナン)付近から短距離弾道ミサイル2発を発射。1発目は飛距離約850キロ、最高高度約50キロ、2発目は飛距離約900キロ、最高高度は約50キロと推定。

北朝鮮に関する日米韓の安保担当高官、東京で協議し、北朝鮮のミサイル発射はいくつもの国連安保理決議に違反するとの共同声明を発出。秋葉剛男国家安全保障局長、サリバン大統領補佐官、趙太庸(チョ・テヨン)国家安保室長が参加。

韓国軍、黄海に落下した北朝鮮の軍事衛星の残骸を回収。16日に報道陣に公開。

米財務省、北朝鮮の弾道ミサイル計画に関与したとして、北京に駐在する北朝鮮の2個人を制裁リストに追加。

韓国全土で尹政権退陣を求めるキャンドル集会。ソウルでは1100以上の市民団体が集会に参加し、尹政権の外交政策を非難するとともに平和を求める宣言を発表した。

6月16日
米ミサイル原子力潜水艦「ミシガン」がプサンに入港。
巡航ミサイル原潜の韓国入港は2017年10月以来。金明秀(キム・ミョンス)海軍作戦司令官は声明で「米潜水艦の入港は『力による平和』を実現するための韓米同盟の圧倒的な能力と姿勢を示すものだ」と述べた。

朝鮮労働党中央委員会第8期第8回総会開催(18日)。5か年計画のこれまでの成果と今後の課題を確認した。外交・防衛面では、自衛力強化の必要性と軍事偵察衛星開発の意義を強調し、5月31日の打ち上げ失敗を最も重大な過ちとし、早期の再打ち上げを指示した。

韓国国防省、在韓米軍の迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の「ごくわずかの」電磁波しか検出されなかったとする環境影響評価を公表。これにより「星州(ソンジュ)基地への正式配備に向けた一歩となる」との認識を示した。市民団体は調査が性急に行われたと反発、抗議活動を続ける考えを示唆。

6月24日
北朝鮮外務省のクォン・ジョングン米国担当局長が談話で敵視政策続ける米国に警告。
朝鮮半島緊張激化の根源は、対朝鮮敵視政策を執拗に続けた米国にあると指摘し、「米国がわれわれの権益を無視してわれわれの主権を侵害し、われわれに脅威となる行動を中止しない限り、北朝鮮の正当防衛権行使においていかなる自制や調節もあり得ない」と主張した(朝鮮中央通信、23/6/24)。

6月25日
北朝鮮外務省米国研究所、「朝鮮侵略戦争の全貌」と「核戦争の導火線に火をつけるために狂奔する米国の侵略的正体を再び暴露」する報告書を発表。
北朝鮮に対する米国の侵略行為の歴史を振り返ったうえで、「米国の時代錯誤の対朝鮮敵視政策と執拗な軍事的威嚇が根源的に残っている限り、国家の自主権と尊厳、安全を守り、地域の平和と安定を守るための北朝鮮の自衛的国防力強化努力はより加速する」と述べて、朝鮮の核ミサイル開発を「正当な自衛権行使」と主張(朝鮮中央通信。23/6/26)。

北朝鮮各地で「6・25米帝反対闘争」の集会開催。平壌のスタジアムには12万人以上が集結。

尹錫悦大統領、朝鮮戦争開戦日に合わせてSNSに「強力な力だけが真の平和を保障する」と投稿。

6月26日
ミズーリ州ホワイトマン空軍基地で「核の傘」強化に関する「日米拡大抑止協議」を実施(~27日)。
北朝鮮などへの対処力の強化、日米韓3か国など多国間協力の推進で一致。

6月27日
韓国国防省、9月に創設する「ドローン作戦司令部」の設置と任務遂行の法的根拠となるドローン作戦司令部令を制定。

北朝鮮、29日開催予定の拉致問題に関する国連サイドイベントを非難。日本人拉致問題は「われわれの誠意ある努力により、すでに完全に解決済み」と改めて表明。そのうえで「日本が実現不可能な問題を前面に掲げるのは、『前提条件のない日朝首脳会談』を呼びかけている日本の立場をみずから否定するに等しい」と強調した。外務省日本研究所のリ・ビョンドク研究員の見解として朝鮮中央通信が伝えた。

6月28日
沖縄周辺空域で自衛隊と米空軍が日米共同訓練を実施。
戦略爆撃機B-52も参加。

韓国、北朝鮮の違法金融活動を支援したとして、韓国系ロシア人1名を独自制裁対象に指定。

6月29日
韓国大統領、 保守派政治学者で北朝鮮の人権問題を積極的に批判している金暎浩(キムヨンホ)を統一相に指名。

国連のサイドイベント「拉致問題に関するオンライン国連シンポジウム」開催。日米豪韓とEUが共催し、北朝鮮の拉致問題解決に向けて討論がなされた。

6月30日
韓国空軍と米軍のB-52H爆撃機、朝鮮半島上空で米韓共同訓練を実施。
韓国空軍のF-35A、KF-16戦闘機、米軍のF-16、F-15E戦闘機なども参加した。

沖縄周辺空域で自衛隊と米空軍が日米共同訓練を実施。戦略爆撃機B-52も参加。

韓国統一省、北朝鮮に対し、韓国に流れ込む臨津江(イムジンガン)の上流にあるダムを放流する際は事前に通知するよう要請する声明を発表。

7月1日
北朝鮮外務省、「南のいかなる人物の入国も許可できない」との談話を発表。
金剛山の観光事業を手がけてきた現代グループの玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)会長が訪朝する意向を示していると、韓国メディアが伝えたことを受けて。

7月2日
尹錫悦大統領、統一省のこれまでの「過度な援助重視の姿勢を改める必要がある」と述べる
「統一省は北朝鮮支援省のように対応してきたが、それは間違っている」とし、「統一省にとって変革の時だ」と主張。

7月4日
韓国の700余りの市民団体でつくる「韓半島平和行動」、ソウルで記者会見を開き、北朝鮮を敵視し、朝鮮半島の緊張を高めている尹錫悦政権を退陣させることを宣言。

7月5日
韓国軍合同参謀本部、6月15日に回収した北朝鮮の偵察衛星の残骸について、「軍事的な効用は全くない」との米韓の専門家の分析結果を表明。
ただし、回収した具体的な部品については明らかにしていない。

7月10日
北朝鮮国防省報道官、米国の朝鮮半島への原潜派遣計画と対北朝鮮偵察活動を非難。

金与正朝鮮労働党副部長、排他的経済水域上空に進入して偵察活動を行う米国を非難し警告。「明確かつ断固たる行動で対応する」と述べる。一方、米国務省ミラー報道官は「米国は国際法が認める場所で飛行している」と主張し、北朝鮮の非難は言いがかりに過ぎないと反論。韓国軍合同参謀本部も、通常の偵察活動であり、排他的経済水域上空の飛行は侵犯には当たらないと反論した。

7月11日
金与正、米国が通常の偵察活動と主張の韓国軍を非難し、排他的経済水域上空の米軍に再度警告。

NATO首脳会議、首脳宣言で北朝鮮の核を強く非難する一方で、自分たちの核兵器を正当化。「平和を維持し、脅迫を防ぎ、侵略を抑止する」ために核兵器は「唯一」の存在であり、米国の戦略核戦力を「同盟の安全保障の最高の保障」と主張。

日米韓の軍トップがハワイで会談。米日韓の軍トップの会談は昨年3月以来。

7月12日
北朝鮮、固体燃料式の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)火星18を試射。
飛距離約1000キロ、最高高度約6600キロ、飛行時間74分51秒。

7月13日
米韓合同訓練を実施。
朝鮮半島上空に米国の戦略爆撃機B-52などが展開。

国連安保理、北朝鮮の火星18発射で緊急会合開催。中国とロシア以外の13の理事国が北朝鮮のミサイル発射を非難。中国の張軍(ジャン・ジュン)国連大使は対話再開の条件を整えるために中ロが提案の対北朝鮮制裁緩和案の検討を求めた。
 会合には約6年ぶりに北朝鮮の国連大使が参加し、金星(キム・ソン)大使は米国による核の威嚇(戦略爆撃機B-52の朝鮮半島への展開や戦略原潜の朝鮮半島派遣計画など)や米国の対北朝鮮偵察行動などを例に挙げて、朝鮮半島の緊張を高めているのは米国だと指摘し、北朝鮮の核ミサイル開発はそれに対する正当な自衛権の行使だと主張した。
 
会合後に9か国の理事国と韓国が北朝鮮を非難する共同声明を発表。

7月14日
金与正、北朝鮮の火星18発射で緊急会合の国連安保理を非難。
北朝鮮のミサイル開発は米国の対北朝鮮敵視政策に対する正当な自衛権だと主張し、北朝鮮を非難する一方で核の威嚇を含む北朝鮮に対する米国の「軍事的挑発行為」を黙認する国連の二重基準を非難。そして朝鮮半島と地域の平和と安定を実現するためには米国の対北朝鮮敵視政策の撤回が「唯一無二の解決策」だと指摘し、それが実現するまで北朝鮮の核抑止力強化を続けると述べる。

日米韓外相会談(ジャカルタ)。北朝鮮のICBM級弾道ミサイル発射を強く非難。地域の抑止力、対処力の強化や国連安保理決議の完全な履行の確保において引き続き緊密に連携することを確認した。また、北朝鮮との対話の道が開かれていることについても認識を共有した。

韓国政府、ICBM発射への対応として北朝鮮の軍幹部ら4人を独自制裁対象に。

7月10日
韓国の市民団体、「尹錫悦は退陣しろ」と題する宣言文を発表。宣言は、「米韓合同火力訓練」は戦争挑発のための実戦演習であるとし、戦争を画策する尹錫悦を直ちに退陣させなければならないと主張。

7月15日
韓国の43の市民団体、尹錫悦政権の退陣を求める集会を各地で開催。ソウルだけで数万人が参加。決議文で尹政権の対北朝鮮敵視政策を強く非難した。

7月16日
日本海で日米韓3か国によるミサイル防衛訓練を実施。
イージス艦「まや」、「栗谷李珥」、「ジョン・フィン」が参加。

7月17日
金与正朝鮮労働党副部長、北朝鮮政府の対米国政策について説明。
米韓共同軍事演習や経済制裁解除、在韓米軍撤退などは全て「可変的かつ可逆的」であり、北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」を目的とした米国の対話には応じるつもりがないと説明。「核協議グループ」会議の招集や40年ぶりの米戦略原子力潜水艦の韓国寄港など、現状では「圧倒的な抑止力」によって米韓から北朝鮮を守るための「安全保証システムを構築しなければならない」と主張。米国が「拡大抑止」や軍事同盟の強化を図る程、「会談のテーブルはより遠のく」と述べる。(朝鮮中央通信、23/7/17)

韓国政府、北朝鮮に対して臨津江(イムジンガン)の上流にあるダム放流時の事前通知を重ねて要請。

7月18日
米韓、ワシントン宣言で創設を決定した「核協議グループ」の初会合をソウルで開催。
拡大抑止の強化を確認。米国の核作戦に対する韓国の通常戦力による支援、および朝鮮半島周辺への米国の戦略資産の「可視性」を高める方法について協議した。

韓国の各市民団体、「核協議グループ」に反対する運動を展開。各団体はソウルで記者会見や集会を開き、朝鮮半島で核戦争が勃発するリスクを高めるとして「核協議グループ」の開催に反対するとともに、尹政権の退陣を求めた。

米国の戦略原潜「ケンタッキー」が韓国釜山(プサン)に入港(~21日)。米国の戦略原潜が韓国に寄港するのは42年ぶり。

板門店(パンムンジョム)の見学ツアー参加の在韓米軍の兵士1人が北朝鮮側へ越境。その後、板門店への出入りはできなくなっている。

7月19日
北朝鮮、順安(スナン)付近から日本海へ向けて短距離弾道ミサイル2発を発射。
1発目は飛距離約550キロ、最高高度約50キロ、2発目は飛距離約600キロ、最高高度約50キロ。飛距離は米国の戦略原潜が入港している釜山までの距離とほぼ同じで、米韓への対抗措置との見方が広がる。

尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、釜山に寄港中の米軍の戦略原潜を視察。「北が核の挑発を夢見ることができないようにする。仮に挑発すれば政権の終末につながる」と述べる。

7月20日
北朝鮮の強純男(カン・スンナム)国防相、米国の戦略原潜の韓国寄港は「核兵器使用条件に該当し得る」と警告。

日米韓の北朝鮮問題担当高官、軽井沢で会談。北朝鮮と対話の用意があることを改めて表明するとともに、北朝鮮の収入源である不法なサイバー活動と海外派遣労働者に対する対策などについて話し合った。

7月22日
北朝鮮、黄海に向けて戦略巡航ミサイル「ファサル」数発を発射。

韓国の各市民団体、戦争反対などを求める集会を実施。集会はソウル、大邱(テグ)などで開かれた。700余りの団体で構成される「休戦70年・朝鮮半島平和のための行動」はソウルで反戦集会とデモを行い、日米韓の軍事協力強化に反対し、朝鮮戦争を終わらせ平和協定を締結し、アジア各国の平和共存と協力を実現しようと呼びかけた。

7月24日
米国の攻撃型原潜「アナポリス」が韓国の済州(チェジュ)島に入港。

北朝鮮、平壌付近から短距離弾道ミサイル2発を日本海に向けて発射。飛距離は約350キロと約400キロ。最高高度はいずれも約100キロ。

日米韓の外務次官級高官が電話協議。北朝鮮の弾道ミサイル発射を強く非難し、朝鮮半島の完全な非核化に向け、日米韓の抑止力強化、安保理における更なる対応等について緊密に連携することを再確認した。

7月25日
韓国大統領の諮問機関、民主平和統一諮問会議、若年層(13~18歳)を対象とした世論調査で、南北統一が必要との回答は約54%、北朝鮮は「警戒対象」との認識が約50%だったと発表。

韓国国防省、新たに「先端軍事資産局」および「防衛イノベーション局」を設立。国防省によると、先端軍事資産局は「最先端技術に裏打ちされた強力な軍隊」の構築に向け有人資産と無人資産を組み込んだ戦闘システムの導入監督任務を負い、防衛イノベーション局はAI等を用いた軍組織の効率化にあたる。

7月26日
米市民団体から構成される「コリア・ピース・アクション」、米首都ワシントンで朝鮮戦争休戦70周年の記念イベント開催(~28日)。3日間にわたるイベントでは、議員事務所を訪問して2023年3月3日に提出の朝鮮半島平和法案(H.R.1369)への支持をよびかけたり、国務省高官に面会して、2017年9月以来続く米国人の北朝鮮への渡航禁止を解除するよう求めたほか、記者会見、デモ行進、ワークショップなどが行われた。バーバラ・リー米下院議員らもイベントに参加した。

7月27日
北朝鮮、休戦協定70年の「戦勝節」の式典を開催。
軍事パレードでは新型ICBM「火星17号、18号」や無人攻撃機が登場した。中国からは李鴻忠(リー・ホンジョン)全国人民代表大会常務委員会副委員長、ロシアからはショイグ国防相が参加。李鴻忠は28日、金正恩総書記と会談し、習近平総書記の親書を金正恩に手渡した。ショイグは前日の26日に金正恩と共に平壌で開催中の「武装装備展示会」を訪問した。マスメディアは、ショイグ訪朝の目的は、北朝鮮に武器を売却するよう働きかけることだったという米国政府などの憶測を無批判に報じた。また前日までに金正恩が平安南道の中国人民義勇軍烈士墓地で献花する様子が伝えられた。

韓国政府、釜山で朝鮮戦争休戦70周年記念イベント開催。記念式典で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は「韓国は(米国を中心とした)国連軍の犠牲と献身で、共産、全体主義勢力から自由を守ることができた。自由民主主義国家と連帯し、韓米同盟を核心軸にして、自由や平和のために努力する」と述べた。

韓国の700余りの市民団体で構成された「平和行動」が記者会見を開き、軍事力に依拠した米韓の対北朝鮮政策を非難。朝鮮半島の情勢悪化による戦争の再発を許してはならないと訴えた。

7月28日
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、統一相に「強硬派」で知られる金暎浩(キム・ヨンホ)誠信女子大教授を任命。

約150の韓国市民団体、ソウルで反戦集会を開催。集会は、戦争に反対し、朝鮮半島に核戦争の危機をもたらす米国と尹錫悦は許せないとの宣言文を出した。

7月29日
米韓、済州島南部の海域で合同対潜水艦訓練を実施(〜30日)。韓国海軍によると、北朝鮮の模擬潜水艦に対する、目標の捜索、追跡、特定などの訓練が行われた。米国のロサンゼルス級攻撃原潜「アナポリス」と、韓国の一型イージス艦「栗谷李珥(ユルゴク・イ・イ)」および潜水艦「李舜臣(イ・スンシン)」
が参加。

8月1日
韓国統一部当局、北朝鮮が臨津江(イムジンガン)の黄江(ファンガン)ダムを事前通知なしに放流していると表明。

8月3日
金正恩総書記、大口径ロケット砲弾生産工場などの重要軍需工場を現地指導(~5日)。
朝鮮中央通信は金正恩が武器の大量生産など「国防経済活動の重要方向を示した」と伝えており、対ロシアも含めた武器輸出で産業化を図ろうとしているとの憶測がマスメディアなどで広がる。

金暎浩(キム・ヨンホ)韓国統一部長官、韓国人拉致被害者代表らとの面談で「朝鮮戦争の終戦宣言は推進しない」と表明。

8月4日
ウィーン駐在北朝鮮常設代表部、NPT再検討会議第1回準備委員会(7月31日~8月11日、ウィーン)で北朝鮮の核の脅威を問題にした米国などを非難する文書を発表。
北朝鮮の核は米国の脅威に対する「自衛的抑止力」だと主張し、NPTを「合法的に脱退」した北朝鮮ではなく、AUKUSの下でのオーストラリアへの原潜供与や韓国との「核協議グループ」の創設など「核拡散防止体制に対する脅威」となっている米国を問題にすべきだと述べる。

北朝鮮外務省中国担当局長、米国による台湾への軍事支援は東アジアの緊張を高めると批判。米国が7月に決定した台湾に対する総額3億4500万ドルの軍事支援を問題視し、北朝鮮は「一つの中国」を主張する中国を全面的に支持すると表明。

8月8日
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、第2回国防革新委員会を開催。「北の核・ミサイル」は「我々の目の前に近づいた脅威であり、最優先で対応するべき」と述べ、韓国軍は「北朝鮮の脅威に対する圧倒的な対応能力」をもち、誰も挑戦しようとしない「恐るべき軍隊」になる必要があると主張。

8月9日
朝鮮労働党中央軍事委員会第8期第7回拡大会議開催。
「敵対勢力の無謀な反朝鮮軍事的対決行為が一層露骨になっている現在の情勢」に対処するために「戦争準備をより徹底的に整えるための重大な問題」を討議。朝鮮中央通信は、金正恩総書記が委員会で決定した「重大な軍事的対策に関する命令書」に署名したと伝える。
 また会議では、朴寿日(パク・スイル)朝鮮人民軍総参謀長を解任し、後任に李永吉(リ・ヨンギル)国防相を任命した。

日米韓仏など74か国、NPT再検討会議第1回準備委員会の機会を利用して、北朝鮮の弾道ミサイル発射や核兵器開発を非難する共同声明を発表。声明は韓国とフランスが主導して出された。

8月15日
日米韓外相、オンライン会談。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対して結束することを確認。

尹錫悦大統領、日本の植民地支配からの解放を記念する「光復節」の式典演説で、北朝鮮の核兵器・ミサイルの脅威に対抗するため日米との安全保障協力の強化の必要性を強調。「韓国と日本は今や、普遍的な価値を共有し、共通の利益を追求するパートナーだ」と述べ、日本の植民地支配や歴史認識に対する批判を抑えた。

8月16日
朝鮮中央通信、7月18日に板門店見学ツアーで北朝鮮に越境の米兵について、「不平等な米国社会に幻滅」し亡命を希望と報道。
米兵は「米軍内の非人間的な虐待と人種差別」に嫌悪感を抱いていたという。

米財務省、北朝鮮とロシアの武器取引の疑いで3団体を制裁リストに追加。3団体は3月30日に制裁対象に指定されたスロバキア国籍のアショット・ムクルティチェフが所有。

8月17日
国連安保理、北朝鮮の人権問題で6年ぶりに公開会合。北朝鮮を非難する欧米などに中ロなどが同調せず、一致した対応がとれなかった。そのため、会合後、52か国とEUが北朝鮮に対する非難声明を出した。中国は、安保理の第一の責務は国際の平和と安全を維持することであり、人権問題を扱うことではないと指摘した。

米国家安全保障会議のカービー戦略広報調整官、朝鮮半島の非核化に向けてバイデン政権が北朝鮮に首脳会談の開催を提案したことを明らかに。共同通信の単独インタビューに応じて。

8月18日
米キャンプデービッドで日米韓3か国首脳会談。「キャンプデービッド原則」「日米韓首脳共同声明」「日本、米国及び韓国間の協議するとのコミットメント」を発表。
「日米同盟と米韓同盟の間の戦略的連携を強化し、日米韓の安全保障協力を新たな高みへと引き上げる」ことを確認。首相及び外務・防衛閣僚による会談の定例化や、3か国による共同訓練の毎年開催などで合意。朝鮮半島の非核化という表現がなく、北朝鮮の非核化をめざすとした。3か国首脳が会談のためだけに集まるのは史上初めて。

朝鮮人民軍総参謀部報道官、17日に米国の偵察機が北朝鮮の排他的経済水域上空を「侵犯」と非難。

8月21日
米韓軍事演習、「ウルチ・フリーダムシールド」を実施(~31日)。過去最大規模。原子力空母、原子力潜水艦、B-1B、B-52Hの戦略爆撃機などが参加。また演習には、オーストラリア、カナダ、フランスなど「朝鮮国連軍」を構成する国家も参加した。尹錫悦大統領は「真の平和は圧倒的な力によって守られる。北朝鮮のいかなる挑発にも即刻かつ圧倒的に報復する」と述べる。

朝鮮中央通信、金正恩総書記が海軍東海艦隊による戦略巡航ミサイル発射訓練を視察したことを伝える。

8月22日
北朝鮮、当該海域の調整国である日本に24~31日の間に人工衛星を打ち上げると事前通知。

朝鮮中央通信、論評で米韓軍事演習「ウルチ・フリーダム・シールド」と日米韓キャンプデービッド合意を批判。演習が侵略的であることは明白だと評価し、朝鮮人民軍はそれに対して圧倒的な力で応じる用意があると警告した。

中朝間の定期航空便、約3年7か月ぶりに再開。

8月23日
韓国政府、「ウルチ民間防衛訓練」の一環として北朝鮮による空襲を想定した避難訓練を全国一斉に実施市民を地下などに避難させ、交通も一部規制。このような訓練は6年ぶり。

米国、「トルネード・キャッシュ」の共同設立者1人(ロシア国籍)を制裁対象に指定。トルネード・キャッシュは、2022年より、北朝鮮が盗んだ暗号資産の資金洗浄に関与したとして米国の制裁を受けている。

8月24日
北朝鮮、人工衛星の打ち上げに失敗。
西海(ソヘ)衛星発射場から偵察衛星「万里鏡1号」を新型運搬ロケット「千里馬1」型に搭載して発射したが、3段目の飛行中に事故が発生した。
 日本政府は沖縄県にJアラートを発令し避難を促したが、ロケットは沖縄本島と宮古島の間の上空を飛行し太平洋へ抜けたため避難の呼びかけを解除した。

G7外相、北朝鮮の衛星打ち上げを非難する共同声明を発表。打ち上げは明白な安保理決議違反と主張し、北朝鮮に、完全かつ検証可能で不可逆的な方法で、核兵器、核開発計画、その他の大量破壊兵器、弾道ミサイル計画を放棄するよう求めた。

北朝鮮の強純男(カン・スンナム)国防相、談話でキャンプ―デービッド合意を非難。主に欧米のウクライナ支援を非難した。ロシアを擁護するとともに、「アジア版NATO」に対しては「圧倒的で先制的な武力」で応じると述べる。

8月25日
国連グテーレス事務総長、北朝鮮の衛星打ち上げを非難。

国連安保理、北朝鮮の衛星打ち上げで緊急会合開催。日本、米国、アルバニア、エクアドル、フランス、マルタ、英国の7か国が会合を要請。

8月26日
北朝鮮、海外住民の帰国を承認し、国境を正式に開放。

8月27日
金正恩総書記、海軍創設記念日の祝賀演説で海軍への戦術核配備方針を示すとともに、軍の「精神武装」の必要性を強調。
金正恩は、日米韓3か国による軍事力増強と合同軍事演習の定例化によって朝鮮半島周辺で核戦争の危機が高まっていると指摘し、朝鮮人民軍海軍の戦争準備の完成の必要性を説いた。

8月29日
日米韓3か国、済州島周辺の公海上でミサイル防衛訓練。
護衛艦「はぐろ」、米海軍駆逐艦「ベンフォールド」、韓国海軍駆逐艦「栗谷李珥(ユルゴク・イ・イ)」が参加。

北朝鮮、全軍指揮訓練を実施(29日~)。

韓国政府、2024年度の予算案を決定。国防費は前年比4.5%増やす一方で、南北経済協力予算は40%以上削減。

8月30日
北朝鮮、戦術核運用部隊の訓練で平壌の順安(スナン)付近から日本海に向け短距離弾道ミサイル2発を発射。
飛距離350~400キロ、最高高度約50キロ。

カービー米戦略広報調整官、プーチン大統領と金正恩総書記が書簡で武器取引拡大を約束と主張。根拠は示さず。

8月31日
米韓、空軍などによる訓練を実施(~1日)。

米財務省、北朝鮮の大量破壊兵器および弾道ミサイル計画を支援する活動に従事したとして、2個人1団体を制裁。 8月23日の北朝鮮による偵察衛星打ち上げを受けて。

9月2日
北朝鮮、戦術核攻撃想定発射訓練で長距離戦略巡航ミサイル2発を黄海に向けて発射。
ミサイルは1500キロを約2時間8分飛行した。直前の米韓軍事演習への対抗措置。

9月3日
米国、ICBM「ミニットマン3」の発射実験。
西部カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地から発射し、約6700キロ飛行して、西太平洋のマーシャル諸島にあるクエゼリン環礁近くに着弾した。米軍は声明で「この発射実験は21世紀の脅威に対抗し、同盟国を安心させるため、米国の核抑止力の実証を目的とした定期的活動の一環だ」と主張。

9月4日
韓国国家情報院、国会でロシアのショイグ国防相が7月の北朝鮮訪問時に中朝ロによる海上軍事合同演習を提案と報告。
インターファクス通信によると、北朝鮮との軍事演習の可能性を問われたショイグは「彼らは我々の隣人だ。もちろん議論している」と答えた。

9月5日
サリバン米大統領補佐官、北朝鮮がロシアに軍事協力なら「代償を払うことになる」と警告。

韓国政府、統一省の交流・協力部門を削減する一方で、人権や韓国人拉致問題対策を強化する組織再編を決定。翌6日には、元北朝鮮外交官で脱北者の高英煥(コ・ヨンファン)氏を統一省長官特別補佐役に任命。

9月6日
北朝鮮の戦術核攻撃潜水艦「金君玉(キムグンオク)英雄」が進水。
金正恩総書記は進水式で今後も海軍の核武装化を続けると明言。

9月8日
北朝鮮、平壌で建国75年記念の軍事パレード。
パレードには正規軍ではなく民間防衛組織の労農赤衛軍が参加。中国の劉国中(リュウ・グオジョン)副首相、党と政府の代表団を率いて北朝鮮を訪問(~10日)。北朝鮮建国75周年記念行事に出席し、金正恩総書記と会談。

9月12日      
金正恩総書記、ロシアを訪問(~17日)。
朝ロ首脳会談や軍事関連や経済関連施設視察などを行う。

9月13日
ボストーチヌイ宇宙基地で朝ロ首脳会談を開催。
2019年4月25日以来、約4年5か月ぶり。会談で金正恩総書記は「ロシアとの関係は北朝鮮にとって最優先課題」と述べた。兵器取引を含む軍事協力や北朝鮮の人工衛星開発支援などについて協議したとみられる。

北朝鮮、順安(スナン)付近から日本海へ向けて短距離弾道ミサイル2発を発射。飛距離はそれぞれ約350キロ、約650キロ。最高高度はいずれも約50キロ。発射は、朝ロ首脳会談の約1時間前に実施された。

日米韓、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、北朝鮮に関する電話協議。鯰(なまず)博行アジア大洋州局長、ソン・キム米国北朝鮮担当特別代表、金健(キム・ゴン)韓国外交部朝鮮半島平和交渉本部長が参加。

米政府、韓国へのステルス戦闘機F35A・最大25機の売却(推定50.6億ドル相当)を承認韓国国防調達計画局が当初3月に計画していたものよりも5機多い。米国防安全保障協力局、声明で韓国の「空対空、空対地の自衛能力を高める」ためと説明。

米国務省報道官、朝ロ間で新たな武器取引があれば、米政府は追加制裁を講じると警告

9月14日
米韓加、黄海で合同海上軍事訓練を実施
。米強襲揚陸艦「アメリカ」、韓国の誘導ミサイルフリゲート艦「ソウル」、カナダのフリゲート艦「バンクーバー」が参加。戦術機動とヘリコプターの運用を訓練。韓国海軍司令官は「多国間合同軍事演習を通じ、北朝鮮の脅威に対する我が国の対応能力をさらに向上させる契機となった」と説明。

9月15日
米韓、仁川上陸作戦戦勝行事で上陸作戦を再現。
出席した尹錫悦大統領は演説で「強力な国防力を基に力による平和を構築し、民主主義を断固として守っていく」と述べる。

米韓の外務・国防次官級による「拡大抑止戦略協議体(EDSCG)」、ソウルで北朝鮮とロシアの軍事協力への対応を協議。「朝ロの軍事協力は国連制裁に対する重大な違反であり、必ず代償を払わせる」との認識で一致。また、国務省によると中国が進める核軍拡や台湾海峡の平和と安定についても話し合われた。

金正恩総書記、コムソモリスク・ナ・アムーレの戦闘機生産工場を視察。

9月16日
金正恩総書記、ウラジオストクのロシア太平洋艦隊を視察。
ショイグ国防相と会談し、朝ロ両軍間の戦略・戦術的協力や相互交流のさらなる強化について意見交換を行った。

9月20日
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、国連総会一般討論演説で朝ロの軍事取引は韓国の安全保障と平和を直接狙った挑発だと警告。
「韓国とその同盟国は、それを黙って見ているわけにはいかない」と強調。

9月21日
韓国外務省、ロシアとの武器取引や核ミサイル開発に関与したとして、北朝鮮の強純男(カン・スンナム)国防相ら個人10人と2団体を独自制裁の対象に指定。

9月22日
日米韓外相会談を開催(ニューヨーク)。「武器貿易の可能性を含むロシアと北朝鮮の軍事協力に関する議論に深刻な懸念」を表明。

日米豪印外相会合を開催(ニューヨーク)。開催後の共同声明で「不安定化をもたらす北朝鮮の弾道ミサイルの発射」を非難。

9月25日
米韓、「対テロ」で合同訓練。
非武装地帯から30キロ南にある京畿道抱川(キョンギドポチョン)のロドリゲス射撃場で。米韓の陸軍兵士約80人が参加し、 人質の救出やテロリストの発見と排除などの訓練が行われた。

​​米韓海軍、日本海で合同海上訓練(〜27日)。対潜水艦作戦や海洋射撃訓練が行われた。韓国からはイージス駆逐艦「栗谷李珥(ユルゴック・イ・イ)」、駆逐艦「大祚栄(テジョヨン)」、潜水艦2隻を含む艦艇7隻と対潜哨戒機1機が、米国からは巡洋艦「ロバート・スモールズ」とイージス駆逐艦「シャウプ」の艦艇2隻と対潜哨戒機1機が参加。韓国海軍は「北朝鮮の脅威を効果的に抑止し、防衛体制を一層強める契機となった」と評価。

韓国ギャラップの世論調査で圧倒的多数が韓米同盟を支持。韓国文化体育観光省が韓米同盟70周年に合わせて実施を依頼。回答者の91.6%が「韓米同盟は重要だ」とし、53.7%が「韓米同盟を引き続き強化すべき」と答えた(20代、30代、学生ではそれぞれ66.1%、65.4%、70.3%で特に多かった )。 韓米同盟を強化すべき理由としては「経済成長に役立つ」が44.2%で最多で、「国の安全保障強化」(42.5%)が続いた。

9月26日
韓国、軍事パレード(ソウル)。
韓国軍創設を祝う「国軍の日」の第75回記念日に合わせて。韓国軍の兵士約4,500人のほか、米兵300人余りが参加。尹錫悦大統領は北朝鮮が核兵器使用なら「韓米同盟の圧倒的な対応を通じて北朝鮮政権を終わらせる」と述べ、「我が国政府は、米国、日本の間の安全保障協力をさらに強化する」と強調。

北朝鮮最高人民会議(~27日)で核兵器明記の憲法改定。戦争を抑止して国の生存権と発展を保証し、地域と世界の平和と安定を守るために核兵器を高度化することを明記する憲法修正案を採択。金正恩総書記は演説で最近の日米韓の軍事力強化にも言及し、北朝鮮が「朝鮮半島と地域を非核地帯につくるための平和愛好的な努力を重ねて」きたにもかかわらず、米国は「単に、思想と体制が異なるという理由」でそれらを無視し、非核国である北朝鮮に対する核威嚇を持続してきたという経緯から、「帝国主義者の暴政の核が地球上に存在する限り」核兵器を放棄しないというのが北朝鮮の「厳正な戦略的判断」だと述べる。また対外関係では「米国と西側の覇権戦略に反旗を翻した国家との連帯をより一層強化する」方針を強調した。

​​金星(キム・ソン)北朝鮮国連大使、国連総会で一般討論演説。米国が日韓と「アジア版NATO」を実現しようとしていると述べ、日米韓の合同軍事演習などは「朝鮮半島情勢を核戦争の瀬戸際に追い込む」ものであると批判。

9月27日
朝鮮中央通信、板門店(パンムンジョム)の見学ツアーで北朝鮮へ越境の米兵は追放処分と報道。
28日には中国を経て米国が身柄を確保。

9月28日
韓国統一省が6月に実施した意識調査で、72.1%が南北統一は必要と回答。

9月29日
国際原子力機関(IAEA)、総会で北朝鮮の核開発を非難し、北朝鮮の完全な非核化を求める決議を採択。

9月30日
崔善姫(チェ・ソンヒ)外相、米国の核の脅威に対する自衛権としての北朝鮮の核保有の正当性を主張。
北朝鮮の核政策憲法明記を非難した国連安保理に反論する談話で。米国の核の威嚇は問題にせず北朝鮮の核だけを問題にしていると述べて国連の二重基準を批判し、米国の核の脅威に対処するための北朝鮮の核保有は「主権国家の自主的権利」であり、「米国という帝国主義の実体が存在する限り」、核保有は「運命的選択」であると主張し、「国家安全の最高の利益である核保有国地位を徹底的に守っていく」と表明した。

10月1日
北朝鮮外務次官がロシアとの関係や対外政策について談話を発表。
朝ロ関係は、帝国主義者の「軍事的威嚇と干渉」などを抑止するための「平和守護の強力なとりで」だと評価。またロシアなど「自主的な主権国家」との関係をより一層発展させ、帝国主義者の軍事的威嚇と挑発から朝鮮半島地域と世界の平和と安全をしっかり守っていくと述べる。

10月2日
北朝鮮の原子力工業省報道官、9月のIAEA決議を二重基準と非難し、北朝鮮の核保有の正当性を訴える。
核不拡散体制にとって脅威となっているのはIAEAから既に脱退している北朝鮮ではなくて「米国とその追随勢力」だと主張し、米国の核兵器と「帝国主義侵略勢力」が存在する限り、「北朝鮮の核保有国地位は絶対不変」と述べた。

10月4日
韓国国防省、声明で北朝鮮による核攻撃を含む「あらゆる攻撃に圧倒的に対応する」準備ができている。
北朝鮮が核使用を企てるなら、「政権の終焉」をもたらすことになると発表。

文在寅前大統領、SNSに対話無しの朝鮮半島の緊張激化への懸念を投稿。2007年南北首脳宣言から16年を迎え、再び平和を目指して力を合わせるときと訴える。

10月5日
韓国統一省、北朝鮮向け人道支援事業への南北協力基金からの支援縮小案を公表。

10月6日
米国の右派シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)、衛星写真で朝ロ国境近くの鉄道施設で大量の貨物車両を確認との報告書を発表。
武器を輸送している可能性が高いと主張。

10月9日
日米韓、北朝鮮の海上遮断を想定した共同訓練を実施。
米軍の空母「ロナルド・レーガン」や韓国のイージス艦「栗谷李珥(ユルゴク・イ・イ)」、日本のヘリコプター搭載護衛艦「ひゅうが」などが参加。

10月11日
韓国国会の外交統一委員会の国政監査で、南北軍事合意について与党が安全保障を弱体化させる結果を招いたとして問題視。
これに対し野党「共に民主党」は軍事境界線付近での衝突を防ぐ役割を果たしていると反論した。

10月12日
米軍の原子力空母ロナルド・レーガンが釜山(プサン)に寄港(~16日)。
朝鮮中央通信は翌日、論評で、核戦略資産投入の一環と評価し、「露骨な軍事的挑発行為」と非難。

10月13日
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報担当調整官、衛星写真を根拠に北朝鮮がロシアに大量の弾薬などを輸送したと主張。
北朝鮮からロシアへ海上輸送された大量のコンテナの動きを追跡したと説明。

米国の北朝鮮人権担当特使にジュリー・ターナー氏が就任。

10月16日
米国のジュリー・ターナー北朝鮮人権担当特使が訪韓(~18日)。
17日、金暎浩(キム・ヨンホ)統一省長官と面談し、北朝鮮の人権侵害を問うための協力を確認。

10月17日
核兵器搭載可能な米軍の戦略爆撃機B-52H「ストラトフォートレス」が韓国の空軍基地に初着陸。
約1週間滞在し、軍事訓練に参加。

日米韓の北朝鮮担当高官が協議(ジャカルタ)。朝ロ間の武器取引問題などについて協議した。会議には、米国のソン・キム北朝鮮特別代表、韓国の金健(キム・ゴン)朝鮮半島平和交渉本部長、日本の鯰博行外務省アジア大洋州局長が参加した。

10月18日
ロシアのラブロフ外相、北朝鮮訪問(~19日)。
翌日、ラブロフ外相は金正恩総書記と会談し、金正恩訪ロの際になされた朝ロ両首脳の合意を「忠実に」履行することを再確認した。

10月20日
朝鮮中央通信、論評で朝鮮半島への米国の戦略資産投入を含む米韓の軍事的挑発に警告。
特に核兵器搭載可能な米軍の戦略爆撃
機B-52の朝鮮半島への展開を問題視し、朝鮮半島に投入の戦略資産は「破壊対象」になると述べる。

10月22日
日米韓、朝鮮半島周辺で初の共同空中軍事訓練。
核兵器搭載可能な米軍の戦略爆撃機B-52、韓国空軍のF-15戦闘機、自衛隊のF-2戦闘機などが参加。訓練は3か国による共同訓練の毎年開催などで合意した8月のキャンプデービット合意を実行に移した。これまでのB-52参加の訓練は、日米及び米韓が別々に行うのが慣例だった。訓練に対し北朝鮮国営メディアは「意図的に核戦争を挑発するもの」として非難し、北朝鮮はそれを「北朝鮮の物理的排除を目的とした先制核攻撃にむけた重大な軍事行動」とみなすと警告。

10月25日
米韓、合同実弾演習を実施
(〜27日)。韓国地上作戦司令部は声明で、北朝鮮による「ハマス式奇襲砲撃」への対応として、「敵の長距離砲による挑発の根源を早期に排除する」ことを目的とした攻撃を訓練したと発表。

10月26日
日米韓外相、共同声明で北朝鮮とロシアの武器取引を「強く非難」。
また、ロシアから北朝鮮に核・弾道ミサイル関連技術が移転する可能性に強い懸念を示した。

英国防省、北朝鮮の弾薬がロシア西部の弾薬庫に搬入されたのは「ほぼ確実」との分析をSNSに投稿。

10月27日
米国防総省、航空機に搭載可能な新型核爆弾(B61-13)の開発を発表。

10月28日
北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相、朝ロ関係に懸念表明の日米韓共同声明に反論。
朝ロ関係は「自主的平等と主権尊重に基づいている互恵的な友好・協力関係」だと説明し、日米韓の軍事同盟こそが地域の平和と安定にとって「脅威」だと主張。

10月30日
米国のソン・キム北朝鮮担当特別代表、中国の劉暁明(リュウ・シャオミン)朝鮮半島問題担当特別代表とオンライン会談。
両特別代表は、国際関係をより「不安定化」させる北朝鮮の行動、朝ロ軍事協力、中国による北朝鮮人強制送還に関する最近の報道について協議した。

米韓豪、大規模航空演習「警戒防衛24」を実施(〜11月3日)。韓国の烏山空軍基地で実施され、 米韓両国のF-35を含む戦闘機130機が参加。韓国軍によると、戦時中の24時間作戦のシミュレーションを目的とし、空対地実弾射撃訓練、防衛対空作戦などを実施。

朝鮮中央通信、ウガンダとアンゴラの常駐大使の離任を報道。北朝鮮は27日にも香港総領事館を閉鎖することを中国側に通知しており、国連などの厳しい制裁の下で友好国における大使館の運営難に直面している可能性がある。

11月1日
米国、ICBMミニットマンIIIの試射。
7年ぶりに韓国が視察の下で実施。

11月5日
朝鮮中央通信、朝鮮最高人民会議常任委員会常務会議で昨年ICBM火星17発射実験の11月18日を「ミサイル工業節」に制定する政令を採択と報道。

11月8日
東京で会合のG7外相、共同声明で北朝鮮の核・ミサイル開発や朝ロの軍事協力を強く非難。

11月9日
ソウルで会合の米韓外相、朝ロの軍事協力に「強い懸念」を表明。

11月11日
北朝鮮外務省報道官、朝ロ関係に「懸念」表明の米韓外相会合を受けて反論。
「米国の「懸念」を解消できる唯一の方途は、朝ロ両国に対する敵視政策と冷戦式の考え方を放棄して、われわれとロシアに対する政治的挑発と軍事的威嚇、戦略的圧迫を撤回することである」と述べる。

11月12日
日米韓国防相会談(ソウル)。
オースティン国防長官、申源湜(シン・ウォンシク)国防相、木原防衛相(オンライン)が参加。3か国による複数年間の共同訓練計画を年内に策定することで一致し、北朝鮮のミサイル警戒情報のリアルタイム共有メカニズムを年内に始動させることを確認した。8月のキャンプ・デービッド合意を具体化。

11月13日
北朝鮮外務省軍縮・平和研究所、報道発表で朝鮮国連軍は不当と指摘。
「『国連軍司令部』を解体するのは朝鮮半島で新たな戦争の勃発を防ぎ、平和と安全を守るための必須の要求である」と題する文書で。

北朝鮮のチョ・チョルス外務省国際機構局長、外相会合の共同声明で北朝鮮非難のG7に反論。G7こそ、「世界の平和と安全に対する主たる危険の源であり、正義の国際秩序樹立の主な障害」と指摘。

米韓国防相、ソウルで第55回安保協議(SCM)を開催。「米韓同盟防衛ビジョン」に署名し、対北朝鮮抑止戦略文書を10年ぶりに改定。米韓同盟防衛ビジョンは今後30年の米韓同盟の3つの重要な柱(北朝鮮に対する拡大抑止の強化、同盟国の能力の近代化、同志国との安全保障協力の強化)を示した。韓国国防相によると、改定された対北朝鮮抑止戦略文書は、過去10年間の北朝鮮の飛躍的な核・ミサイル技術の発展と5月のワシントン宣言を反映させたものである。

11月14日
朝鮮戦争休戦70年を機に朝鮮国連軍参加17か国がソウルで会合。
全参加国がソウルで集まるのは初めて。共同声明で北朝鮮の核・ミサイル開発を強く非難し、米韓両軍と他の朝鮮国連軍参加国による合同訓練を活性化させることなどを確認。中国外務省報道官は記者会見で、朝鮮国連軍について「冷戦時代の産物であり、その存在に法的根拠はなく最初から時代に合わないものだ」と評価した。

日米韓外相会談(サンフランシスコ)。北朝鮮を念頭に安全保障分野で3か国が協力することを再確認。

11月15日
朝鮮中央通信、北朝鮮が新型の中距離弾道ミサイル用大出力固体燃料エンジンを開発したと報じる。
報道によると実験は11日と14日に行われた。

米韓が黄海上で共同軍事訓練実施。B-52 戦略爆撃機が朝鮮半島に展開。最新鋭ステルス戦闘機F-35Aや米軍のF-35Bなどが参加。

金暎浩(キム・ヨンホ)韓国統一部長官、国会の外交統一委員会で第4次南北関係発展基本計画を報告。北朝鮮が存在自体を認めていない拉致被害者、韓国軍捕虜問題などを北朝鮮との交渉議題として挙げる方針。

11月16日
朝ロ、第10回貿易経済・科学技術協力委員会を平壌で開催。

11月20日
韓国軍合同参謀本部、北朝鮮の偵察衛星発射の中止を求め、発射なら南北軍事合意の一部の効力停止などの措置を講じるとの声明発表。

11月21日
北朝鮮、日本政府に11月22日から12月1日の間に衛星打ち上げと通知。

北朝鮮、軍事偵察衛星を打ち上げ。朝鮮中央通信は、平安北道(ピョンアンプクド)西海(ソヘ)衛星発射場から偵察衛星「万里鏡(マンリギョン)1」号を「千里馬(チョンリマ)1」型ロケットに搭載して成功裏に打ち上げたと報道。韓国軍も衛星が軌道に入ったことを確認。

米原子力空母「カールビンソン」、釜山港に入港。

11月22日
韓国政府、北朝鮮の衛星発射への対応措置として、南北軍事分野合意(2018年)のうち、飛行禁止区域の設定に関する項目の効力停止を決定。

国連安保理理事国9か国及び韓国、北朝鮮の衛星打ち上げを非難する共同声明を発表。

G7外相、北朝鮮の偵察衛星打ち上げを強く非難する共同声明を発表。弾道ミサイル技術を使った打ち上げは国連安保理決議違反と主張。

米国の攻撃型原潜「サンタ・フェ」が韓国済州島に入港。

11月23日
北朝鮮国防省、韓国の南北軍事分野合意一部停止を非難し、北朝鮮は「合意によって中止していた全ての軍事的措置を即時復活させる」と宣言。

韓国国家情報院、国会情報委員会で北朝鮮は偵察衛星を軌道に乗せることに成功したと把握していると報告。

韓国軍、北朝鮮が22日に順安(スナン)付近から日本海に弾道ミサイルを発射し、失敗したとみられると発表。

11月24日
北朝鮮による偵察衛星打ち上げを受け、日米韓外相、電話会議で北朝鮮を非難。

11月25日
朝鮮中央通信、論評で米国の韓国に対する武器売却を非難。

11月26日
日米韓、済州島東南の海上で合同軍事訓練。
原子力空母「カール・ビンソン」や自衛隊の艦船が参加。

日中韓外相会談(プサン)。約4年ぶりの開催。偵察衛星を打ち上げた北朝鮮への対応をめぐって意見交換をするとともに、3か国の首脳会議を開催するため、作業を加速させることで一致。

11月27日
国連安保理、北朝鮮の偵察衛星発射を巡り緊急会合。
具体的な対応は取れず。

金先敬(キム・ソンギョン)北朝鮮国際機構担当次官、北朝鮮の衛星打ち上げを非難した22日の国連安保理理事国などによる共同声明は「主権侵害」だと反論。

11月28日
朝鮮中央通信、北朝鮮の軍事偵察衛星が米ホワイトハウスや米国防総省を撮影したと報道。

11月29日
米財務省、仮想通貨ミキサーのシンバッド(Sinbad)を制裁対象に追加。
北朝鮮のハッキンググループ・ラザルスによる資金洗浄に関与したとして。

金与正、北朝鮮の人工衛星発射非難の国連安保理は二重基準と批判。「自主権」を侵害と非難。また「朝米対話再開の時間と議題を定めろと言った米国に改めて明白にしておく」と前置きした上で、「主権国家の自主権」は交渉課題になり得ず、そのために米国と対話するつもりはないと明言した。

11月30日
日米韓豪、北朝鮮国籍の8個人と1団体を制裁リストに追加。
北朝鮮の偵察衛星打ち上げへの対抗措置として。

12月1日
韓国軍、米バンデンバーグ宇宙軍基地から初の軍事偵察衛星打ち上げに成功。米宇宙企業スペースX社のファルコン9ロケットを使用。軌道に進入し地上局と交信。画像の解像度は地上の約30センチの物体を識別できる水準と主張。(韓国時間は2日)

12月2日
北朝鮮の国家航空宇宙技術総局の「偵察衛星運営室」、偵察衛星運営の任務に着手。

北朝鮮外務省報道官、衛星打ち上げは自主権だと主張した上で、対北朝鮮制裁の立案及び実行した関係者には対抗措置を取ると宣言。

北朝鮮国防省報道官「北朝鮮の宇宙資産に対するいかなる形態の侵犯もわが国家に対する宣戦布告」と見做すと警告。

12月4日
韓国、済州(チェジュ)島沖で国防省が開発中の固体燃料ロケットの打ち上げ実験に成功。
韓国の民間防衛産業ハンファグループが開発した民生用の小型人工衛星を軌道に乗せた。

北朝鮮国家航空宇宙技術総局報道官、韓国の12月1日の軍事偵察衛星打ち上げについて、米国の二重基準を非難。

12月7日
北朝鮮のサイバー脅威に対抗するための日米韓3か国外交ワーキンググループが初会合(東京)。
暗号資産の窃盗やIT労働者の労働などを通じて、核・ミサイル開発の資金となり得る収益を得られないよう日米韓および世界的な緊密な協力の必要性が強調された。

12月8日
韓国統一部報道官、北朝鮮は開城工業団地で約30か所の韓国側の施設を無断で稼働と公表。
半年で3倍になった。

日米韓3カ国の国家安全保障担当高官、北朝鮮によるサイバー脅威対応強化に向けた会談(〜9日。ソウル)。

12月11日
在韓米軍のF-16戦闘機、群山(ウルサン)付近の黄海上に墜落。

12月12日
米政府、朝ロ間の軍需品輸送に関与したロシアの海運会社を制裁対象に追加。

韓国国防省、2024~2028年の中期防衛計画発表。348兆7000億韓国ウォン(2628億米ドル)を今後5年間で防衛力増強に支出する計画。

12月14日
北朝鮮の労働新聞、
国家経済5か年計画の2023年の実績を振り返る記事の中で、軍事面に関する今年最大の成果は偵察衛星の打ち上げと戦術核攻撃潜水艦の誕生と記載。

12月15日
米韓核協議グループ会合、共同声明で「北朝鮮による米国あるいは同盟国に対するいかなる核攻撃も容認できず、それは金政権の終焉に帰結する」と述べる(ワシントン)。
韓国政府によると、2024年半ばまでに核戦略指針を完成させることや、翌年の合同軍事演習で北朝鮮への核報復攻撃を想定した初の訓練実施で一致した。北朝鮮は反発し、17日、国防省報道官が「いかなる核使用企図も先制的で壊滅的な対応に直面する」と警告。

12月17日
米国の攻撃型原潜「ミズーリ」が韓国釜山に入港。

北朝鮮、短距離弾道ミサイルを1発を発射。防衛省によると、ミサイルは平壌付近から発射され、飛行距離は約400キロ、最高高度約50キロ。

12月18日
北朝鮮、日本海に向け固体燃料式のICBM「火星18号」を発射。
高角度で発射され、最高高度約6520キロに達し約1000キロ飛行して、日本のEEZ外に落下。米韓などの軍事的言動への対抗措置としての発射訓練。

12月19日
日米韓、北朝鮮のミサイル発射に関する情報の即時共有を開始するとともに、3か国による合同訓練の複数年計画を策定したと発表。

国連安保理、北朝鮮のICBM発射で緊急会合。会合に先立ち日米韓英など9か国は発射を非難する共同声明を発表。北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使はICBM発射について軍事的威嚇を続ける米韓への対抗措置だと説明し、北朝鮮の「自衛権行使」だけを問題にするのは二重基準だと非難。また中国国連次席大使耿爽(ゲン・シュアン)は朝鮮半島問題における対話と政治的解決の重要性を強調し、中ロ共同提案の北朝鮮に対する決議案は、対話再開の機運を高めるためと説明した。

日米韓の北朝鮮担当高官が電話会談。北朝鮮による18日のICBM発射について情報交換し、発射を非難した。米国のジュン・パク北朝鮮担当特別代表代理、韓国の金健(キム・ゴン)外務省朝鮮半島平和交渉本部長、日本の鯰博行外務省アジア大洋州局長が参加した。

12月20日
日米韓が合同空中訓練。
済州島東方の上空。米国のB-1BやF-16、航空自衛隊のF-2などが参加。

国連総会、北朝鮮の人権侵害を非難する決議を19年連続でコンセンサス合意で採択。決議はEUが主導し、日米韓等が共同提案国に加わった。

金正恩総書記、「火星18号」の発射訓練参加の部隊を激励のために訪問し、敵の核挑発に対して北朝鮮は核攻撃をためらわないと発言。「国の尊厳と国権守護、国益死守」は「強力な力によってのみ確実に保証される」と述べた上で、先制攻撃を行う能力と臨戦態勢を整えることが国防にとって重要だと主張。

12月21日
日米韓外相、北朝鮮のICBM発射を非難する共同声明を発表。

12月26日
朝鮮労働党第8期中央委員会第9回総会拡大会議(~30日)。
金正恩は、2023年を、国家経済5か年計画達成に向けて「驚異的な勝利と出来事で充満した年」だったと評価。軍事面では、憲法に核戦力強化政策について明記したことや、ICBM発射試験・訓練の成功、偵察衛星の打ち上げについて特に高く評価した。
 そして2024年の経済活動についても方針を示し、軍事面では2024年に軍事偵察衛星を新たに3基打ち上げる方針などを示すとともに、日米韓の軍事動向を踏まえ、さらなる国防強化の必要性を強調。また「発生しうる核危機事態に迅速に対応し、有事の際に核戦力を含む全ての物理的手段と力量を動員して南朝鮮の全領土を平定するための大事変の準備に引き続き拍車をかけていくべきである」と述べた。
 また金正恩は、「吸収統一」と「自由民主主義の下での統一」を目指す韓国と、「一つの民族、一つの国家、二つの体制に基づくわれわれの祖国統一」は激しく矛盾と指摘するとともに、「北南関係は、もはや同族関係、同質関係ではなく、敵対的な2つの国家関係、戦争中の二つの交戦国関係として完全に定着」したと断言。そして「われわれを公式に「主敵」として位置づけ、外部勢力と結託して「政権崩壊」と「吸収統一」の機会だけをうかがう一味を和解と統一の相手と見なすことは、われわれがこれ以上、犯してはならない誤りだ」と述べて、南北問題及び統一政策に関する立場を見直すよう指示した。(朝鮮中央通信、23/12/31)

12月27日
韓国外務省、ICBM発射で、北朝鮮人民軍偵察総局長ら8人を独自制裁の対象に追加。

ソウル市、北朝鮮による局地的な攻撃を想定した統合防衛訓練を実施。その一環で官民や軍、警察が参加する野外機動訓練を初めて実施。